
 金融庁が「暗号資産ETFを原資産とするデリバティブ商品の提供は望ましくない」との見解を示した。これは単なる規制強化ではなく、“安心”を求める投資家心理への警鐘でもある。
※本記事は「ビットコイン予備校」が独自の視点で執筆したオリジナル考察です。
2025年10月、IG証券がブラックロックのビットコインおよびイーサリアム現物ETFを原資産とするCFD取引を発表。
 これに対し金融庁は、「現時点では望ましくない」とコメントを発表した。
 理由は明確だ──暗号資産ETF自体が日本ではまだ承認されておらず、法的な根拠を欠いたままでは投資者保護が不十分だと判断したためである。
 制度の穴を突くような新商品に対し、監督当局が“予防的な線引き”を行った形だ。
目次
整備が進む「日本版ETF」構想
金融庁や証券業界団体の間では、2027年春をめどに国内版ビットコイン現物ETFの導入が検討されている。
 一方で、制度化までの移行期には「海外ETFを利用したCFD」や「擬似ETF商品」が乱立する可能性があり、
 これが個人投資家にとってリスクとなる。
 制度が未整備の段階での先走りは、結果的に市場全体への信頼低下を招きかねない。
「規制=安全」という誤解
多くの投資家が「ETF化されれば安全」「金融庁が認めれば安心」と考えがちだ。
 しかし制度の整備は、あくまでリスクを見える化するための枠組みであり、
 リスクを消す魔法ではない。
 価格変動、情報の偏り、過信──いずれも人間の心理に根ざした問題であり、
 どんなルールがあっても“判断するのは自分”であることに変わりはない。
ビットコイン予備校が考える「成熟市場への条件」
市場が真に成熟するためには、規制当局の厳格さと投資家の自立性が両立しなければならない。
 投資者保護を盾にして機会を奪うのではなく、教育によって判断力を育てる──
 それが、暗号資産市場の“第二段階”への進化に必要な要素である。
 制度整備はスタート地点にすぎず、最終的なリスク管理の主体は常に個人にある。
編集後記(ビットコイン予備校より)
本記事は、ビットコイン予備校による独自の分析・見解に基づいて執筆されています。
 「規制」と「自由」は対立概念ではなく、共に市場を育てるための両輪です。
 ETFを巡る議論は、投資家が“何をもって安心とするか”を問い直す機会になると感じています。








