ビットコインが100ドルまで暴落すると予測したハーバード大学教授、規制当局の対応が甘すぎたと指摘
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外れた予測とその背景
ハーバード大学の経済学教授で国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストであるケネス・S・ロゴフ氏は2018年、ビットコイン(BTC)は10年後に100ドルまで暴落する可能性が高いと予測していた。
しかし実際にはBTCは当時の1万ドル以下から10倍以上に上昇し、現在11万3000ドル前後で推移している。ロゴフ氏は8月19日、当時の予測が外れた理由について「アメリカが合理的な仮想通貨規制を導入するだろうと楽観しすぎた」と振り返った。
規制当局への批判
ロゴフ氏は、政策立案者が暗号資産を用いた脱税や違法行為の抑制に断固たる姿勢を示さなかったことが、ビットコインの繁栄を許したと批判した。規制当局の慎重さを欠いた対応が、予期せぬ形でBTCの成長を支えたと分析している。
地下経済における役割
同氏は、ビットコインが20兆ドル規模にのぼる世界的な地下経済において、法定通貨と競合する取引手段として需要が存在することを過小評価していたと述べた。
「この需要がビットコインの価格に下限を設定する」とし、自身の新著『Our Dollar, Your Problem』で詳しく論じていると付け加えた。
- 規制当局は十分な対応を取らなかった
- 暗号資産は地下経済で法定通貨と競合する
- 価格の下限は需要により形成される
- 規制当局には利益相反の懸念がある
規制当局の利益相反
ロゴフ氏はさらに、「規制当局が何億ドル規模の暗号資産を責任を負わずに保有していることは明白な利益相反だ」と批判。規制環境が不十分なまま成長した暗号資産市場に警鐘を鳴らした。
参考資料: CoinDesk Japan
記事作成日: 2025年8月21日