
スタンダードチャータード銀行が「ビットコインは今後10万ドルを下回らない可能性」を指摘。マクロ環境の改善が背景にあるという。
スタンダードチャータード銀行のジェフリー・ケンドリック氏は、「米中貿易協議の改善と地政学的安定が続けば、ビットコインは再び10万ドルを割ることはない」と分析。
同氏は、リスク資産全体でセンチメントが改善し、ビットコインが再び上昇トレンドに戻りつつあると強調した。
目次
米中協議の進展が市場心理を好転
スコット・ベッセント米財務長官は、中国のレアアース輸出規制が1年間延期される可能性を示唆し、米国産大豆の大規模購入にも言及。
この報道を受けて市場の懸念は後退し、トランプ大統領と習近平国家主席の韓国会談で取引条件が最終決定される見通しだ。
トランプ大統領も「貿易協定を締結する」と発言しており、緊張緩和の流れが明確になっている。
リスク資産の回復と市場指標の動向
ケンドリック氏は、「ビットコイン・ゴールド比率」(ビットコイン時価総額÷金時価総額)が30を超えると、市場懸念の終焉を示す可能性があると述べた。
また、米国の金ETFから20億ドル以上が流出しており、「その資金の一部がビットコイン現物ETFに流入すれば、市場のムードを押し上げる」と分析している。
さらに「ビットコインが新たな史上最高値を更新すれば、これまで信じられてきた“4年半減期サイクル”理論は完全に否定される」と述べた。
ケンドリック氏は「私はすでに半減期サイクルは終わったと考えているが、全員を納得させるには価格上の証拠が必要だ」と語り、市場の転換点が近いと見ている。
利下げ見通しも追い風
さらに、今週予定されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での25bp(ベーシスポイント)利下げが予想されており、これがビットコインのサポート材料となると見られている。
ケンドリック氏は「今週がうまく進めば、ビットコインは二度と10万ドルを下回らない」と結論づけた。








