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ビットコイン(BTC)が2025年12月1日早朝、アジア市場で急落し、一時$88,000を割り込んだ。11月末に$92,000台まで回復していた価格は、わずか数時間で4.3%の下落を記録し、市場全体がリスクオフ状態に突入した。
この急落の引き金となったのは、DeFi(分散型金融)プラットフォームYearn Financeで発生したハッキング事件だ。攻撃者はyETH流動性プールの脆弱性を突いて、約$300万相当のETHを流出させた。この事件が暗号資産市場全体に恐怖を拡散させ、大規模な売りを誘発している。
目次
📉 市場全体が急落──4億ドル超の清算
ビットコインだけでなく、イーサリアム(ETH)も6%下落し、$2,900を割り込んだ。XRP、Solana(SOL)、Dogecoin(DOGE)なども軒並み4%以上の下落となった。
データプロバイダーCoinglassによると、レバレッジ取引のロング(買い)ポジションを中心に、$4億以上の清算が発生した。多くのトレーダーが価格回復を見込んでいたが、急落に巻き込まれた形だ。
- 📊 ビットコイン:$92,000 → $88,000(-4.3%)
- 📉 イーサリアム:$3,100 → $2,900(-6%)
- ⚡ レバレッジ清算額:$4億超
- 💀 影響を受けた主要アルトコイン:SOL、XRP、DOGE(-4%以上)
🔓 Yearn Financeハッキングの詳細──無限ミント攻撃で$300万流出
今回の市場急落の直接的な原因となったのが、Yearn FinanceのyETHプールへの攻撃だ。攻撃者は11月30日21:11(UTC)に実行された取引で、脆弱性を利用して235兆yETHを無限にミント(発行)し、Balancerの流動性プールから実際の資産(ETHやLST)を引き出した。
- 🕐 攻撃実行時刻:11月30日21:11 UTC
- 💰 被害額:約$300万(1,000 ETH)
- ⚙️ 攻撃手法:無限ミント攻撃(yETH脆弱性を利用)
- 🌀 資金洗浄:Tornado Cash経由で流出
- ✅ V2/V3 Vault:影響なし(安全)
Yearn Financeは公式に、V2およびV3 Vaultは影響を受けていないと発表した。脆弱性はレガシー実装のyETHトークンに限定されており、プロトコル全体のTVL(Total Value Locked)は$6億以上を維持している。
V2およびV3 Vaultは影響を受けておらず、安全です。今回の脆弱性はレガシー実装のyETHトークンに限定されています。
しかし、韓国の大手取引所Upbitで数百万ドル規模のハッキングが発生した直後のタイミングだったこともあり、市場の不安心理は一気に悪化した。
📊 11月は史上最悪級──ETF流出が過去最大の$37.9億
ビットコインは11月に17.5%下落し、3月以来最大の月間下落率を記録した。イーサリアムも22%下落し、2月以来の最悪のパフォーマンスとなった。
- 💸 ビットコインETF流出額:$37.9億(過去最大)
- 🏦 BlackRock IBIT流出額:$22億
- 📉 イーサリアムETF流出額:$14.2億(過去最大)
- ⚠️ 機関投資家の需要:著しく低下
SoSoValueのデータによると、米国上場のビットコイン現物ETFからの流出は$37.9億に達し、過去最大を記録した。特にBlackRockのiShares Bitcoin Trust(IBIT)からは$22億が流出した。
イーサリアムETFも$14.2億の流出を記録し、機関投資家の需要が著しく低下していることが明らかになった。
🔍 ビットコイン予備校の視点
12月初日の急落は、投資家にとって重要な分岐点だ。
今回の下落は①DeFiハッキング事件による恐怖の拡散、②11月のETF大量流出による需要減少、③レバレッジポジションの大規模清算という3つの要因が重なった結果だ。
- 短期トレーダー:$87,000が重要サポートライン。割り込むと$85,000までの下落リスクあり
- 中期投資家:$88,000~$90,000のレンジで押し目買いのチャンス
- 長期投資家:ファンダメンタルズは健全。DeFi事件は一過性のパニック
重要なのは、今回の下落が「セキュリティ問題」によるパニック売りであり、ビットコイン自体のファンダメンタルズは損なわれていない点だ。
Yearn FinanceのV2/V3 Vaultは無事であり、プロトコル全体のTVLも維持されている。一方で、ETFからの資金流出が続いていることは、機関投資家の慎重姿勢を示している。
中長期的には、この下落は絶好の買い場となる可能性が高い。ただし、$87,000を明確に割り込む場合は、一旦の撤退も視野に入れるべきだ。








