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米クラリティー法案、第3回協議で進展も合意至らず
2026年2月20日、ホワイトハウスは仮想通貨業界と銀行業界の代表を招き、「クラリティー法案(暗号資産市場構造法案)」を巡る第3回非公開協議を開催した。焦点はステーブルコイン保有者への利回り付与の可否。予定を大幅に超える長時間の議論が行われたが、最終的な合意には至らなかった。
CoinPostの報道によれば、ホワイトハウス側の交渉担当者は「銀行預金ビジネスを脅かさない範囲での限定的なステーブルコイン報酬」を認める可能性を示唆し、銀行側への譲歩の兆しが見られた。
- 米クラリティー法案第3回協議の内容と進展
- ステーブルコイン利回り規制を巡る銀行vs仮想通貨業界の対立構造
- Genius法案・上院草案との関連性
- 法案通過の可能性と予測市場の動向
- 民主党が求める追加条件と今後の展望
銀行vs仮想通貨業界──ステーブルコイン利回り論争の核心
今回の協議で最も激しい議論となったのが、ステーブルコイン保有者に対する利回り付与の是非だ。
銀行業界は当初、利回り付与の全面禁止を要求。理由は、利回り付きステーブルコインが銀行預金の代替手段となり、預金流出を招く恐れがあるためだ。一方、仮想通貨業界は「利回り付与は正当な金融サービスであり、イノベーションを阻害すべきではない」と主張し、真っ向から対立してきた。
CoinPostによると、ホワイトハウスは「限定的な報酬」を認める方向で調整を図っており、完全な禁止ではなく一定の条件下での利回り付与を容認する可能性が浮上している。
既存法案との関連──Genius法案と上院草案
クラリティー法案の議論は、既存のGenius法案とも密接に関連している。Genius法案では、ステーブルコイン発行者が直接利息を支払うことを禁止する一方、第三者プラットフォームが提供する報酬は認めるという枠組みが示されている。
また、上院銀行委員会の草案では、ステーブルコイン保有自体への利回り付与は禁止しつつ、特定の取引に対する報酬は認めるという折衷案が提示されている。
今回の協議では、これらの既存法案の枠組みを踏まえつつ、銀行と仮想通貨業界の双方が納得できる落としどころを模索する動きが見られた。

法案通過の可能性──予測市場は84%
Coinbase最高法務責任者のポール・グレワル氏は、今回の協議について「建設的な対話が行われた」とコメント。Ripple CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は、4月末までに法案が成立する確率は90%と予測している。
予測市場では、法案成立の確率が一時54%まで低下したものの、その後85%まで回復し、2月20日時点では84%で安定している。
ただし、民主党側は以下の追加条件を要求しており、法案成立にはこれらの課題のクリアが必要だ。
- トランプ一族の仮想通貨ビジネスにおける利益相反問題の解決
- CFTC(商品先物取引委員会)およびSEC(証券取引委員会)の欠員補充
- DeFi分野におけるマネーロンダリング対策の強化
今後の展望──3月1日の期限と業界の期待
ホワイトハウスは3月1日までに最終合意を目指しており、今週中にも追加の協議が行われる見通しだ。
業界関係者の間では、「限定的な利回り付与を認める」という妥協案が現実的な着地点として期待されている。完全な禁止を避けつつ、銀行預金への影響を最小限に抑えるバランスが模索されている。
また、今回の法案成立は、2026年11月の中間選挙にも影響を与える可能性がある。共和党が下院の多数派を失えば、超党派での法案成立は困難になるため、政治的な時間制約も大きな要因となっている。

まとめ──仮想通貨規制の転換点
今回の協議は、米国における仮想通貨規制の方向性を決定づける重要な転換点となる可能性が高い。ステーブルコイン利回り規制を巡る対立は、単なる技術的な問題ではなく、伝統的金融システムと新興デジタル金融の共存をどう実現するかという根本的な課題を浮き彫りにしている。
今後の協議の行方は、仮想通貨業界全体の成長軌道に大きな影響を与えるだろう。投資家にとっては、規制動向を注視しつつ、長期的な視点でのポートフォリオ戦略を検討することが重要だ。








