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【ビットコイン予備校】2025年11月第3週|注目ニュースまとめ
金融庁が歴史的な規制改革を正式発表したその週、ビットコインは8.6万ドル台まで急落し、初期保有者が2,050億円を売却した。しかし──その裏で、ビットコインは採掘95%という歴史的マイルストーンに到達し、長期保有者は静かに買い増しを続けていた。
📅 2025年11月17日〜11月23日の注目ニュース
- ✅ 金融庁が105銘柄への金商法適用を正式発表 – 2026年通常国会で法案提出へ、分離課税実現に前進
- ✅ ビットコイン採掘が95%到達 – 残り5%は2140年まで、希少性の証明
- ✅ メタプラネットが204億円調達 – B種永久優先株式で150億円をBTC購入へ
- ✅ ビットワイズXRP ETF上場 – 米国で2つ目の現物型XRP ETF、初月手数料無料
- ✅ バイナンスジャパン×PayPay連携 – 暗号資産現物取引でPayPay利用可能に
- ⚠️ ビットコインが8.6万ドル台に急落 – 6カ月ぶり安値、初期保有者2,050億円売却
- ⚠️ BTC ETFから1,395億円流出 – 史上2番目の規模、個人投資家の売却が主因
今週の買い度数
短期目線(数週間): 3/10点
ビットコインは8.6万ドルまで下落し、テクニカル的にはさらなる下落リスクあり。米雇用統計が予想を大幅に上回り、12月利下げ観測が40%に低下。短期的には極めて慎重な姿勢が必要。
中期目線(数ヶ月): 9/10点
金融庁が105銘柄への金商法適用を正式発表し、税率20%への道筋が明確化。採掘95%到達で希少性が証明され、初期保有者の大量売却が完了。バンエック分析では長期保有者は売っておらず、中期投資家の利確が完了すれば売り圧力は大幅に軽減される。価格下落は絶好の仕込み場。
長期目線(1年以上): 10/10点
金融庁の105銘柄金商法適用は「日本政府が暗号資産を正式な金融商品として認めた」歴史的転換点。採掘95%到達は、ビットコインの供給スケジュールが設計通りに機能している証明であり、希少性の裏付けだ。初期保有者の売却完了で今後の売り圧力が軽減され、長期保有者は増加を続けている──これ以上の強気シグナルはない。
📰 注目ニュース①: 金融庁が105銘柄への金商法適用を正式発表──税率20%への道筋が明確化
11月16日、金融庁が暗号資産を金融商品取引法(金商法)の対象として扱う方針を固めたと朝日新聞が報じた。
ビットコイン、イーサリアムを含む105銘柄が対象となり、インサイダー取引規制と情報開示義務が導入される。
そして最大の変革──税率の大幅引き下げだ。
現行制度:
雑所得として総合課税、最大税率55%(住民税含む)
新制度(2026年度税制改正で要望):
金融商品として分離課税、一律20%(株式と同様)
差額:
1000万円の利益で350万円の税負担軽減
スケジュール:
• 2025年12月:与党税制調査会で審議
• 2026年:通常国会で金商法改正案提出
• 2026年度:税制改革実現の可能性
これは単なる「税率引き下げ」ではない。日本政府が暗号資産を正式な投資対象として認めたという宣言だ。
ブロックチェーン推進議員連盟も後押し
11月17日、ブロックチェーン推進議員連盟が第31回会合を開催し、暗号資産を金商法の規制対象として位置づける方向で検討していることを明らかにした。
業界団体は20%申告分離課税を要望しており、来年の通常国会での法整備を目指している。政治的な後押しも強まっており、税制改革実現の可能性は極めて高い。
対象: 暗号資産交換業者が取り扱う105銘柄
規制内容:
• 発行者の有無、事業内容、発行計画の開示義務
• インサイダー取引規制の適用
• 金商法に基づく監督・罰則
税制改正:
• 2026年度税制改正で分離課税を要望
• 株式・債券と同等の扱い
• 12月の与党税制調査会で本格審議
これは「暗号資産は怪しいもの」から「正式な金融商品」への格上げを意味する。
📰 注目ニュース②: ビットコイン採掘が95%到達──2140年に向けた希少性の証明
11月17日、ビットコインのマイニング済みコイン数が1,995万BTCを超え、固定上限2,100万BTCの95%に達したことが明らかになった。
オンチェーンデータによると、ネットワークが過去の半減期を経て新規発行が徐々に減速する中、ブロック報酬として採掘される残りのBTCは105万未満となった。
採掘済み: 1,995万BTC(95%)
残り: 105万BTC(5%)
最終採掘: 2140年頃(あと115年)
現在のブロック報酬: 3.125BTC(2024年4月の第4回半減期後)
1日の新規発行: 約450BTC(半減期前は900BTC)
次回半減期: 2028年4月予定(1.5625BTCに減少)
残り5%は極めてゆっくりと放出され、最後の端数は2140年頃に採掘される見込みだ。
「希少性」が設計通りに機能している証明
オンチェーン分析プラットフォームのナンセンのシニアリサーチアナリスト、ジェイク・ケニス氏は、このマイルストーンについて以下のようにコメントした。
重要なポイントは95%という数字自体ではなく、ビットコインの供給スケジュールが設計どおりに正確に機能していることだ。無制限の法定通貨印刷の時代において、予測可能で希少である。
クラーケンのグローバルエコノミスト、トーマス・ペルフモ氏も「このプログラム可能な希少性は、予測可能な発行と分散型設計と相まって、ビットコインを競合する通貨形態や資産クラスから際立たせるものだ」と述べた。
このマイルストーンは、ビットコインが「デジタルゴールド」として機能していることの証明だ。
金(ゴールド)の希少性は自然界の制約によるものだが、ビットコインの希少性はプログラムコードによって保証されている。
そして今、そのプログラムが設計通りに正確に機能していることが証明された。
これは、ビットコインが「価値保存手段」として長期的に信頼できる資産であることの裏付けだ。
📰 注目ニュース③: ビットコイン8.6万ドル台に急落──初期保有者2,050億円売却と利下げ観測後退
11月21日、ビットコインは6カ月以上ぶりの安値となる8万6,155ドルまで急落した。
CNBCの報道によると、投資家がリスク資産へのエクスポージャーを引き下げ、12月のFRBによる追加利下げの可能性を見極めようとする中での下落となった。
①米雇用統計が予想を大幅に上回る
9月に11万9,000人の雇用を追加し、エコノミストの予想である5万人を大幅に上回った。この報告を受け、12月の利下げ観測は約40%に低下。
②初期保有者が2,050億円を売却完了
2011年からビットコインを保有していたオーウェン・ガンデン氏が最後の売却を完了。10月下旬以降の売却総額は13億ドル(2,050億円)に達した。
③大規模な強制清算
過去24時間で22万3,664人のトレーダーが清算され、合計強制清算額(ロスカット)は1,295億円に達した。
しかし長期保有者は売っていない
資産運用会社バンエックは11月19日に公表したレポートで、ビットコインの最近の売り圧力が長期保有の大口投資家ではなく、中期保有者(保有期間3〜5年)によるものだと分析した。
5年以上保有されているビットコインは2年前と比べて27万8,000BTC純増した。これは保有期間の短いコインが5年超のカテゴリーに移行したことを反映しているが、長期大口保有者の確信が続いていることを示している。
JPモルガン・チェースのアナリストも11月20日のレポートで、調整局面の要因は「仮想通貨ネイティブ投資家ではなく主に個人投資家による現物ETFの売却」だと分析した。
- 5年以上保有のビットコインは27万8,000BTC純増
- 大口投資家は直近30日で買い増し
- 初期保有者の売却が完了(今後の売り圧力軽減)
- 10月のレバレッジ解消は完了、11月は安定化
- 3〜5年保有の中期投資家の利確が過去2年で32%減(売却ほぼ完了)
「長期保有者は売っていない」──これが今週最も重要なデータだ。
📰 その他の注目トピック
💰 メタプラネット、204億円調達でBTC150億円追加購入へ
11月20日、東証スタンダード上場のメタプラネットがB種永久優先株式の発行により約204億円を調達すると発表した。調達資金の約150億円をビットコイン購入に充当する計画で、2025年12月から2026年3月にかけて実行する予定だ。
転換価額を現在の株価の2.6倍以上に設定したことは、既存株主の希薄化を抑制しつつ、優先株主には将来的なアップサイドを提供する工夫だ。
💎 ビットワイズXRP ETF、米国で2つ目の現物型商品として上場
11月20日、ビットワイズが手がける現物型XRP ETFがニューヨーク証券取引所に上場した。信託報酬は0.34%で、初月は先着5億ドルまで無料。カナリー・キャピタルに次ぐ米国で2つ目の現物型XRP ETFとなる。
💳 バイナンスジャパン×PayPay連携開始
11月21日、Binance Japan株式会社とPayPay株式会社がPayPayマネーとの連携サービスの提供を開始した。Binance Japanの暗号資産現物取引(販売所)において、PayPayマネーからの入金による暗号資産の購入と、売却代金をPayPayマネーとしてチャージできるようになった。
📊 米ビットコインETF、1週間で2度の大規模流出
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新し、11月だけで約40億ドルが流出している。
💼 レイ・ダリオ氏、総資産の1%をビットコインで保有と表明
11月21日、著名投資家レイ・ダリオ氏が総資産の1%をビットコインで保有していると表明した。量子コンピューターのリスクについて懸念を示しつつも、金と比較した価値保存手段としての可能性を評価している。
💡 ビットコイン予備校の結論: 売り圧力完了、制度確立、希少性証明──三位一体の強気相場へ
今週の動きを総合すると、ビットコイン予備校としての結論は明確だ。
短期的にはリスクがあるが、中長期的には歴史的な買い場である。
①金融庁の105銘柄金商法適用が正式決定
2026年通常国会で法案提出予定。税率55%→20%への道筋が明確化し、「日本政府が暗号資産を正式な金融商品として認めた」宣言だ。
②ビットコイン採掘95%到達
供給スケジュールが設計通りに機能している証明。残り5%は2140年までゆっくりと放出され、希少性が裏付けられた。
③初期保有者の売却完了
2011年から保有していたガンデン氏が2,050億円の売却を完了。今後の大口売り圧力が大幅に軽減される。
④長期保有者は売っていない
5年以上保有のビットコインは27万8,000BTC純増。バンエック分析では、売り圧力の主体は中期投資家(3〜5年保有)であり、その利確も過去2年で32%減とほぼ完了している。
⑤メタプラネットが150億円追加購入
価格下落局面で日本企業が積極的に買い増し。mNAV 1割れの中での戦略的資本増強は、長期的なビットコイン戦略への確信を示す。
⑥アルトETF市場が拡大
XRP現物ETFが米国で2つ目の商品として上場。アルトコイン市場への機関投資家参入が加速している。
【ただし注意すべき点】
⚠️ 短期的な下落リスク: テクニカル的にはさらなる下落余地あり。12月の利下げ観測が40%に低下し、マクロ経済の不透明感が残る。一括投資ではなく、時間分散投資を推奨する。
⚠️ ETF流出継続: 個人投資家による現物ETF売却が続いており、短期的な調整圧力は残る。しかし長期保有者は増加を続けており、売却の主体は短期投機筋だ。
【投資家へのアドバイス】
今週、3つの歴史的な事象が同時に起こった。
①制度確立:金融庁が105銘柄への金商法適用を正式決定
②希少性証明:ビットコイン採掘が95%到達
③売り圧力完了:初期保有者の大量売却が終了
この3つが揃った今、市場は新たな成長段階に入ろうとしている。
バンエックの分析が示す通り、「長期保有者は売っていない」。売っているのは中期投資家と個人投資家だけだ。
あなたはどちら側に立つのか?
「価格」を見て恐怖する側か、「価値」を見て冷静に判断する側か。
日本政府は制度を整え、長期保有者は買い増しを続け、ビットコインの希少性は証明された。
「恐怖の時こそ真の富が築かれる」──今週、この格言がまた証明されようとしている。
初期保有者の売却が完了し、中期投資家の利確もほぼ終わった今、次の強気相場に向けた準備は整った。
あとは、あなたが行動するかどうかだ。
参考記事
- CoinPost|金融庁、暗号資産105銘柄の「金融商品」扱いを検討(2025年11月16日)
- CoinDesk Japan|ビットコインなど105銘柄に金商法適用へ(2025年11月16日)
- CoinPost|暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面(2025年11月17日)
- CoinPost|95%のビットコインが採掘済み、2140年に完全流通へ(2025年11月18日)
- CoinPost|ビットコイン売り圧力は中期保有者が主因(2025年11月21日)
- CoinPost|ビットコインが8.6万ドル台に急落(2025年11月21日)
- CoinPost|約150億円をビットコイン追加購入に使用へ メタプラネット(2025年11月20日)








