中国がアメリカの関税に反撃 ビットコインは11万2000ドルを割り込み、ETHとDOGEは6%下落
世界的なリスクオフ再燃、暗号資産市場も連動下落
中国の報復的な貿易措置を受け、世界市場にリスクオフの新たな波が押し寄せました。ビットコイン(BTC)は10月14日のアジア取引時間に11万2000ドルを下回り、イーサリアム(ETH)やドージコイン(DOGE)も軒並み下落しました。
ブルームバーグによると、中国が韓国の造船会社「ハンファ・オーシャン」のアメリカ法人に制裁を発動したことが引き金となり、日経平均株価は3%以上下落、アメリカとヨーロッパの株式先物も連動して下落しました。
S&P500関連の先物は0.7%、ナスダック100先物は1%下落するなど、投資家心理は一気に冷え込みました。
アジア株が軒並み安となる中、円は下落から反転して対ドルで上昇。ゴールド(金)とシルバー(銀)は前日の上昇分を帳消しにし、安全資産への資金移動が鮮明となっています。
「暗号資産は依然としてマクロ経済リスクに強く反応しており、特に米中関係の緊張が続く限り、ボラティリティは高止まりするだろう」──CoinDeskアナリスト談
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ビットコインと主要アルトコインの動向
CoinGlassのデータによると、今回の下落で清算総額は6億3000万ドル(約945億円)に達し、その3分の2がロングポジションの清算によるものでした。
ビットコインは3%下落し11万1869ドル、イーサリアムは4%下落の4000ドル前後、BNBは10%以上の急落を記録。XRP、SOL、DOGEも軒並み5〜6%の下落となりました。
- BTC:3億1000万ドル
- ETH:1億7000万ドル
- BNB・SOL・XRPなど:計1億5000万ドル
全体の約65%がロングポジションの清算であり、週末の反発分はほぼ完全に消失しました。
背景:トランプ政権の100%関税方針
今回の市場不安は、トランプ大統領による中国製品への100%関税方針発表に端を発したボラティリティの延長線上にあります。
Hyperliquidのデータによると、前週末には一時的な反発があったものの、24時間で約200億ドル(約3兆円)のポジションが解消されたとされています。
今回の下落は、暗号資産が依然として世界的なマクロ要因に密接に連動していることを示す事例となりました。