
FRBの金利発表を前に暗号資産市場が一時下落。トレーダーは慎重なポジションを取り、BTC・ETH・DOGEが軟調推移した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金利発表を前に、暗号資産市場が小幅な調整を見せた。ビットコイン(BTC)は11万4000ドル付近で推移し、トレーダーは年内2度目の利下げに備えて慎重なポジションを取っている。
目次
暗号資産市場、全体的に軟調な展開
イーサリアム(ETH)は2.6%下落して4115ドルとなり、ソラナ(SOL)とバイナンスコイン(BNB)も約2%の下落を記録した。
市場全体の時価総額は3兆9000億ドル(約585兆円)付近で推移し、50日および200日SMAの上を維持している。
ビットコインは週単位では5.8%の上昇を記録しており、他銘柄との対照が際立つ。
「未決済建玉が250億ドルから300億ドルに増加したことは、市場に新たなレバレッジが流入していることを示している。11万2000ドルを超えると上昇モメンタムが強まるが、11万ドルを下回ると清算リスクが高まる」──Bitget Wallet リサーチアナリスト レイシー・チャン氏
FOMC控え、FRBのハト派転換に注目
アメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)は10月28日〜29日(現地時間)に開催予定。市場は政策金利を25ベーシスポイント引き下げ、4.00%〜4.25%に設定すると予想している。
アナリストは「インフレ率が目標を上回っているにもかかわらず、これは金融緩和への明確な転換シグナル」と分析。
「ジェローム・パウエル議長は、データ主導のアプローチを維持しつつ、制御された流動性拡大を示唆するだろう。慎重さと緩和のバランスが市場心理を支えている」──レイシー・チャン氏
オンチェーンでは長期保有者が利益確定へ
オンチェーンデータによると、7年以上休眠していたコインが過去最速で移動しており、初期保有者による利益確定が進んでいる。
OnChainSchoolの分析では、10月の清算総額が約190億ドル(約2兆8500億円)に達したことも確認されている。
- FRBは利下げ観測を背景に「ハト派的」スタンスへ
- BTCは11万4000ドル付近を維持、週足では+5.8%
- ETH・SOL・BNBなど主要アルトは約2%下落
- オンチェーンでは長期保有者の利益確定が加速
市場は「恐怖」から「忍耐」へ
アジア時間の取引では、XRPが2.65ドル、SOLが202ドル、ドージコイン(DOGE)が3%下落。
一方で、トロン(TRX)は24時間で1.4%下落にとどまり、比較的安定。
アナリストは「市場は恐怖から忍耐のフェーズへ移行しつつある」と指摘し、政策金利のサプライズよりもレバレッジ再構築の行方が次の方向性を左右するとみている。








