2026年2月第3週|ビットコイン6万ドル攻防、38億ドルETF流出と量子懸念で市場は「極度の恐怖」に

この記事でわかること
  • 2026年2月第3週のビットコイン価格動向と4週連続下落の背景
  • ETF市場から38億ドルが流出した理由と市場心理
  • 量子コンピューティング懸念が仮想通貨市場に与えた影響
  • トランプ一族主催のマー・ア・ラゴ暗号資産サミットの内容
  • 市場が底打ちに向かう可能性を示す複数のシグナル

市場概況:4週連続下落でビットコインは6.8万ドル台へ

2026年2月16日〜22日の週、ビットコイン(BTC)は約6.8万ドル付近で推移し、週間で約1.6%の上昇にとどまった(CoinPost)。しかし、この小幅な上昇は2月初旬からの大幅下落からの一時的な反発に過ぎず、ビットコインは4週連続で週次ベースでの下落を記録していた(Bloomberg)

週初の2月16日、ビットコインは一時6.8万ドルまで下落し、市場全体が「赤一色」に染まった。時価総額トップ100銘柄のうち85銘柄が下落し、イーサリアム(ETH)は約1,942ドルまで急落、前日比で7%の下落を記録した(CoinDesk)。XRPやモネロ(XMR)などのプライバシーコインも、それぞれ10%、8%の大幅な下落を記録した(GFA)

週間価格動向(2月14日〜20日)
  • ビットコイン(BTC): 67,225ドル +1.6%
  • イーサリアム(ETH): 1,958ドル +0.7%
  • XRP: 1.42ドル +4.0%
  • ソラナ(SOL): 82.90ドル +5.9%

出典: CoinPost

週末にかけてビットコインは一時7万ドルを超える場面もあったが、その水準を維持することはできず、再び6.8万ドル台へ押し戻された。VanEckのアナリストは、この下落について「レバレッジの巻き戻しが主因であり、パニック的な売りではない」と分析している(VanEck)

ETF市場から38億ドルが流出、機関投資家の慎重姿勢が鮮明に

今週の市場低迷を象徴する出来事が、ビットコインETFからの大量資金流出だった。2月の1ヶ月間で、仮想通貨ETF全体から約38億ドル(約5,900億円)が流出したことが明らかになった(MSN)

2月18日時点で、ビットコイン現物ETFは1日で1億3,330万ドルの純流出を記録し、ブラックロックのIBITが8,420万ドル、フィデリティのFBTCが流出をリードした(CoinDesk)。さらに2月20日には、イーサリアムETFからも57,543ETH(約1億1,083万ドル)の純流出が発生した(KuCoin)

過去3ヶ月間で、仮想通貨ETF全体から約58億ドルの純流出が発生しているが、CNBCのアナリストは「これは投資家のパニックを示すものではなく、短期的なポジション調整に過ぎない」と指摘している(CNBC)

一方で、ハーバード大学の運営基金が2025年12月31日付でポートフォリオのリバランスを実施し、ビットコインETFの一部を売却してイーサリアムETFを初めて購入したことが明らかになった(CoinPost)。この動きは、機関投資家の間でビットコイン一極集中から分散投資への移行が進んでいることを示唆している。

量子コンピューティング懸念が市場を揺るがす

今週、市場心理を悪化させたもう一つの要因が、量子コンピューティングに関する懸念の再燃だった。仮想通貨データ分析企業クリプトクアントのCEO、キ・ヨンジュ氏は2月18日に発表した分析で、量子コンピュータの進化によりビットコインの暗号セキュリティが将来的に脅かされる可能性があり、現時点で約689万BTC(サトシ・ナカモトの保有分を含む)が理論上のリスクにさらされていると指摘した(CoinPost)

量子コンピューティングリスクの現実性

専門家の間では、量子コンピュータがビットコインのセキュリティを実際に脅かすには「まだ数十年かかる」との見方が主流だ(CoinGecko)。ビットコインネットワークは将来的な暗号技術のアップグレードを通じて対応可能であり、2026年時点では実用的な脅威ではないとされている(ETF Trends)

しかし、投資銀行ジェフリーズが1月にビットコインをアジア重点ポートフォリオから除外した際、その理由として量子コンピューティングの長期的リスクを挙げたことで、市場の一部では懸念が広がった(The Quantum Insider)

Google検索のトレンドデータによると、米国での「ビットコインがゼロになる」という検索が2月に過去最高を記録したが、世界全体では8月のピーク時よりも減少しており、恐怖心理は米国に集中していることが明らかになった(CoinDesk Japan)

トランプ一族主催のマー・ア・ラゴ暗号資産サミット

市場が低迷する中、2月18〜19日にフロリダ州のマー・ア・ラゴでドナルド・トランプ大統領の息子たちが主催する「ワールド・リバティ・フォーラム」が開催された。このイベントには、ゴールドマン・サックス、ナスダック、フランクリン・テンプルトンのCEOなど、ウォール街の主要プレイヤーと政府関係者が一堂に会した(CoinDesk)

トランプ一族が38%の株式を保有するWorld Liberty Financialは、このサミットで複数の取引を発表し、仮想通貨と不動産、政治が交錯する異例のイベントとなった(New York Post)。注目すべきは、恩赦を受けたバイナンス創業者のチャンポン・ジャオ氏もこのイベントに参加していた点だ(Wall Street Journal)

エリック・トランプ氏はCNBCのインタビューで、「ビットコインは100万ドルに達する」との予測を改めて表明し、現在の市場動向について「人生で最も強気だ」と明言した(CoinPost)

CLARITY法案を巡る攻防が焦点に

今週の仮想通貨業界で最大の政治的焦点となったのが、米国における「仮想通貨市場構造法案(CLARITY法案)」を巡る議論だった。Coinbase CEOのブライアン・アームストロング氏は2月19日、CNBCのインタビューでCLARITY法案の可決には「約4週間かかる」との見通しを示した(BITTIMES)

マー・ア・ラゴのカンファレンスでは、この法案を巡る暗号資産業界と銀行業界の対立が議論の中心となった。ホワイトハウスでの協議が長引く中、業界内では規制の明確化を求める声と、既存金融機関の反対による遅延への懸念が交錯している(Barron’s)

また、米SECは2月26日までに、T.ロウ・プライスによる複数の仮想通貨を対象としたETF(ビットコイン、イーサリアム、XRPなど5〜15種類)の上場承認可否を判断することを公表した(CoinPost)。この決定は、複数銘柄型ETFの今後の展開を占う重要な試金石となる。

日本企業の積極的なビットコイン戦略

市場が低迷する中、日本企業は逆張りの姿勢を鮮明にしている。メタプラネットは2月16日に2025年12月期の通期決算を発表し、営業利益が前年比約18倍の約63億円に達したことを報告した(CoinPost)。同社は1,000億円超のビットコイン評価損を計上したものの、長期保有戦略を堅持している。

リミックスポイントは2月20日、保有するビットコインをSBIデジタルファイナンスの暗号資産レンディングサービスで運用することを決議し、2月24日から運用を開始する予定を発表した(CoinPost)

さらに、JCB、デジタルガレージ、りそなホールディングスの3社は2月19日、2月24日から3月2日にかけて実店舗におけるステーブルコイン決済の実証実験を実施することを発表した(CoinPost)

マイニング難易度が史上最大の上昇、ネットワークは健全

市場価格の低迷とは対照的に、ビットコインネットワークの基礎的な健全性を示すデータが発表された。ビットコインのマイニング難易度が14.7%上昇し、144.4兆に達したことが明らかになった。これは2021年以来最大の上昇率であり、米国の冬季嵐によるマイナーの一時停止からの回復を示している(CoinDesk)

UAE(アラブ首長国連邦)は、マイニング事業から生み出した6,782BTC(約4億5,400万ドル)について、約3億4,400万ドルの未実現利益を保有していることが判明した(CoinDesk)

市場は底を打ったのか?複数のシグナルが示唆する反転の可能性

VanEckのアナリストによる詳細な分析によると、現在の市場状況は複数の統計的極値を示しており、底打ちの可能性を示すシグナルが集まっている(VanEck)

底打ちを示唆する統計的シグナル
  • 変動速度: 2月5日に-6.05σの急落を記録。これはFTX崩壊時の-4.07σを超え、COVID暴落の-9.15σに次ぐ規模
  • トレンドからの乖離: ビットコインは200日移動平均線から-2.88σ下方に位置。これは過去10年間で観測されたことのない水準(0.0%の確率)
  • 7日間下落率: -22.2%で、過去データの98.9%よりも悪い水準
  • レバレッジ削減: 先物オープンインタレストが10月のピーク時の900億ドルから490億ドルへと45%以上減少

出典: VanEck

オンチェーン分析大手Glassnodeは2月18日、ビットコインが「真の市場平均価格」(約7.9万ドル)を割り込み、下値の支持線となる「実現価格」(約5.49万ドル)との間で守りのレンジ相場に移行していると分析した(CoinPost)

仮想通貨投資企業Keyrockは2月19日、ビットコイン価格は世界の流動性と相関しているとのレポートを発表し、2026年後半からは再び大規模な流動性の注入が市場を押し上げる可能性があると予想している(CoinPost)

ステーブルコインとイーサリアムの動向

イーサリアム財団のプロトコル開発チームは2月18日、2026年の開発優先事項を公式ブログで発表した。2025年に2回の大型アップグレードを完遂した成果を踏まえ、今年から開発体制を3つのチームに再編し、処理能力の拡張・使いやすさの向上・ネットワークの安全性強化を同時に推進していく方針を示した(CoinPost)

また、ブラックロックがステーキング報酬を獲得できる新しい仮想通貨ETF「iShares Staked Ethereum Trust ETF」をSECに申請したことが明らかになった(CoinPost)。現行の現物ETF(ETHA)に加え、運用益を投資家へ還元する新ファンドの構築を目指している。

ステーブルコイン市場では、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルの子会社SGフォージが2月18日、ユーロ建てステーブルコイン「EURコインバーティブル」をXRPレジャー(XRPL)でローンチしたことを発表した(CoinPost)。これはマルチチェーン戦略の一環であると説明されている。

まとめ:不確実性の中で見えた構造的な強さ

2026年2月第3週の仮想通貨市場は、4週連続の下落、38億ドルのETF流出、量子コンピューティング懸念など、複数の逆風に直面した。しかし、同時に市場の底打ちを示唆する統計的シグナル、企業や国家レベルでの採用拡大、ネットワークの基礎的健全性の向上など、中長期的な構造的強さを示す要素も多く観察された

トランプ一族のマー・ア・ラゴサミットに象徴されるように、仮想通貨は政治・金融・テクノロジーの交差点に位置する存在となっている。CLARITY法案の行方、複数銘柄型ETFの承認可否、そして2026年後半に予想される流動性の回復が、今後の市場を左右する重要な要因となるだろう。

VanEckのアナリストが指摘するように、「これはマクロ駆動の弱気相場であり、テクノロジー駆動のものではない」。市場インフラは正常に機能し、ステーブルコインの採用は加速し、機関投資家の参入も継続している。短期的な価格変動に惑わされることなく、構造的な変化に注目することが重要だ。

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