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2025年11月10日──決済革命の幕開け

「ビットコインはインターネットの通貨になる」──ツイッター(現X)創業者として知られるジャック・ドーシー氏が、長年温めてきたビジョンがついに現実のものとなった。2025年11月10日、彼が率いるブロック社(旧スクエア)は、決済インフラサービス「スクエア」において、全世界400万店舗でビットコイン決済を可能にする「Square Bitcoin」機能を正式にローンチした。

この発表は、暗号資産業界における単なる一企業の新サービスではない。ビットコインが誕生から16年を経て、ようやく「投機対象」から「日常通貨」への転換点を迎えつつあることを示す、歴史的な一歩なのだ。

Square Bitcoinの3つの革新ポイント

①ライトニングネットワーク統合:従来10分以上かかっていた決済が数秒で完了

②2027年まで手数料無料:導入障壁を徹底的に排除する戦略

③自動換金機能:売上の一部を自動的にビットコインに変換可能

なぜ今まで「ビットコイン決済」は普及しなかったのか?

ビットコインが決済手段として敬遠されてきた理由は明確だった。ブロックチェーンの処理時間が10分以上かかるという構造的な問題である。コンビニでコーヒーを買うのに10分待つ顧客はいない。クレジットカードが数秒で決済を完了する中、ビットコインは「デジタルゴールド」としての価値保存手段に特化せざるを得なかった。

しかし、ライトニングネットワークがこの壁を突破した。オフチェーン技術により、ビットコインの決済処理を数秒で完了できる仕組みだ。ブロック社がSquare Bitcoinにこの技術を統合したことで、理論上の可能性が実用レベルに到達したのである。

実証された信頼性──Compass Coffeeの挑戦

理論と実践の間には、常に大きな溝がある。しかし、米コーヒーチェーン「Compass Coffee」のCEO、マイケル・ハフト氏は2025年10月中旬、世界初のビットコイン決済対応スクエア端末を設置し、10個のウォレットで徹底的な支払いテストを実施した。

ハフト氏がXで報告した評価は明確だった。「信頼性と処理速度の高さに驚いた。クレジットカードや現金決済と並行してビットコイン決済を受け付けられる点が画期的だ」。既存の決済インフラを一切変更せず、ビットコイン決済を「追加オプション」として提供できる──これがSquare Bitcoinの真の強みである。

ドーシー氏が描く「企業向け完全統合ソリューション」

株主向けレターでドーシー氏は「企業向けの完全統合型ビットコイン決済・ウォレットソリューション」と説明した。単なる決済機能ではなく、企業がビットコインを保有・運用できるエコシステムの構築を目指している。売上の一部を自動的にビットコインに換金する機能は、企業の財務戦略にビットコインを組み込む第一歩となる。

「2027年まで手数料無料」の戦略的意図

ブロック社が示した「2027年まで手数料無料」という条件は、ドーシー氏の本気度を物語っている。クレジットカード決済の手数料は通常2〜3%。この差額を2年間無償で提供することは、企業にとって数億ドル規模の投資を意味する。

しかし、これは単なる赤字覚悟のプロモーションではない。ネットワーク効果の獲得競争なのだ。400万店舗がビットコイン決済に対応すれば、消費者は「ビットコインで支払える場所」を探す必要がなくなる。逆に言えば、ビットコインを保有する消費者が増えれば、店舗側もビットコイン決済を導入するインセンティブが生まれる。

2027年1月1日から手数料1%が導入される頃には、すでに数百万人の消費者と数百万店舗がビットコイン決済のエコシステムに組み込まれている──ドーシー氏はそのシナリオに賭けているのだ。

「投機」から「実用」へ──ビットコインの第二幕

ビットコインは2024年に現物ETFが承認され、機関投資家の資金が流入して価格は史上最高値を更新した。しかし、それは依然として「投資商品」としての評価である。Square Bitcoinが切り拓こうとしているのは、「日常通貨」としての第二幕だ。

エルサルバドルが2021年にビットコインを法定通貨に採用した際、技術的インフラの未整備が課題となった。しかし、スクエアという既存の決済インフラにビットコイン機能が統合されることで、店舗側の導入コストはほぼゼロに近い。POSレジのソフトウェアアップデートだけで対応できるからだ。

2025年11月10日の意味──歴史が振り返る日

2009年1月3日、サトシ・ナカモトがビットコインの最初のブロックを生成した。2024年1月、ビットコイン現物ETFが承認された。そして2025年11月10日、ビットコインが400万店舗で決済手段として機能し始めた。後世の歴史家は、この日を「ビットコインが通貨として認知された転換点」として記録するかもしれない。

【ビットコイン予備校の視点】初心者が知るべきポイント

このニュースから初心者が理解すべき本質は、「技術が社会実装されるプロセス」である。ビットコインは2009年に誕生したが、決済手段として普及するには16年の時間が必要だった。その間、ライトニングネットワークという技術革新、規制環境の整備、そして何より「ジャック・ドーシー」というビジョナリーの存在があった。

暗号資産投資において重要なのは、短期的な価格変動ではなく、長期的な社会実装のトレンドを見極めることだ。Square Bitcoinは、ビットコインが「投機対象」から「実用通貨」へと移行する長期トレンドの一部である。この視点を持つことで、日々の価格変動に一喜一憂せず、本質的な価値の成長を見据えた投資判断が可能になる。

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