
2025年11月17日、ビットコインのチャート上で「デッドクロス」が発生しました。同時に、市場の恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index)は「極度の恐怖」を示す10に低下。
これは約9カ月ぶりの最低水準です。暗号資産市場全体が総悲観に陥っている今、初心者投資家は「今すぐ売るべきか?」「逆にチャンスなのか?」と迷っているかもしれません。
- デッドクロスとは何か?弱気シグナルの基本
- 恐怖・強欲指数が「10」の意味と過去の事例
- 極度の恐怖は逆張りのチャンスなのか?
- 初心者が冷静に判断するための3つのポイント
目次
デッドクロスとは?テクニカル分析の基本
デッドクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下回る現象で、弱気のシグナルとされています。
今回のケースでは、50日移動平均線が200日移動平均線を下抜けました。これは「短期的な勢いが長期トレンドよりも弱い」ことを示し、下落トレンドの継続を暗示します。
過去のビットコインでは、デッドクロス発生後に以下のパターンが見られました:
- 2018年:デッドクロス後、さらに50%下落(6,000ドル→3,000ドル)
- 2022年:デッドクロス後、約30%下落(21,000ドル→15,000ドル)
- 2025年:デッドクロス発生時点で既に25%下落済み
アナリストのベンジャミン・コーエン氏は「過去の事例では局地的な安値をつけるパターンが見られた」と指摘しています。
恐怖指数「10」は何を意味するのか?
恐怖・強欲指数は、市場の感情を0(極度の恐怖)から100(極度の強欲)のスケールで数値化したものです。
現在の指数は10。これは「極度の恐怖(Extreme Fear)」を示す水準で、2025年2月下旬以来約9カ月ぶりの低さです。
主要な暗号資産が1週間にわたって下落し、ビットコインは過去7日間で5%以上下落。10万ドルの心理的節目を割り込み、3月初旬以来の水準で取引されています。
極度の恐怖は「買い時」のシグナル?
投資の格言に「恐怖の中にチャンスあり」というものがあります。多くの投資家がパニック売りをしている時こそ、冷静な投資家は買いのチャンスと考えるのです。
しかし、今回は本当にそうでしょうか?
今回の下落の4つの要因
ナンセンのシニアリサーチアナリスト、ジェイク・ケニス氏は、今回の売りには複数の要因が重なっていると分析しています。
今回の売りは、長期保有者による利益確定、機関投資家による資金流出、マクロ経済の不確実性、そしてレバレッジをかけたロングポジションの解消が重なった結果だ
- 長期保有者の利益確定:高値で買い増した投資家が損切り
- 機関投資家の資金流出:過去3週間でETFから30億ドル流出
- マクロ経済の不確実性:FRB12月利下げ期待の後退
- レバレッジ解消:ロングポジション強制清算が約1億9,000万ドル
これらが連鎖的に作用し、売りが売りを呼ぶ展開となっています。
初心者が冷静に判断するための3つのポイント
極度の恐怖に直面した時、初心者投資家が取るべき行動は何でしょうか?
新規投資家が14.8万BTCを損切りした事実が示すように、恐怖に駆られた売りは往々にして損失を確定させます。平均購入価格10万2,000~10万7,000ドルで買った投資家が、9万6,853ドルで売却していました。
BitMineのトム・リー氏は「これは短期的な調整に過ぎず、感謝祭後の6〜8週間で市場は回復に向かう」と予測しています。4年サイクルの文脈では、まだ上昇トレンドの範囲内という見方もあります。
テクニカル分析では、次の重要サポートは9万1,000ドル付近。この水準で下げ止まれば、調整の範囲内と見ることができます。逆に8万8,000ドルを割り込むと、本格的なベア相場入りのリスクが高まります。
まとめ:恐怖の中で冷静さを保つ
デッドクロス発生と恐怖指数10は、確かに弱気のシグナルです。しかし、それは必ずしも「今すぐ売れ」という意味ではありません。
市場が総悲観に陥っている時こそ、冷静な判断と長期視点が重要です。
- デッドクロス:過去は局地的安値のシグナルだった
- 恐怖指数10:極度の恐怖は底値圏の可能性
- 重要サポート:9万1,000ドルが次の防衛ライン
- 長期視点:6〜8週間で回復の可能性
自分の投資方針を再確認し、感情ではなくデータに基づいて行動しましょう。








