
2026年3月第2週(3月9日〜15日)は、ゴールドマン・サックス・フィデリティ・モルガン・スタンレーがSOL現物ETFへの本格参入を13F申告で明らかにし、NYSE親会社ICEがOKXに約250億ドル規模で出資するなど、TradFiマネーが仮想通貨市場の第2フェーズへ本格的に踏み込んだ1週間となりました。中東情勢の緊迫化・原油高・日経平均急落というマクロリスクが重なるなかでもBTCは7万ドル台を維持し、「無政府資産」としての存在感を示しています。さらにブータン政府による175BTCの売却も確認され、国家レベルのBTC動向も改めて注目されました。機関・マクロ・国家の3軸が同時に動いた、見逃せない7日間を振り返ります。
- GS・フィデリティ・MSがSOL現物ETFに累計約2,286億円保有していることが13F申告で判明した背景
- ICEによるOKX出資(企業価値250億ドル評価)とRWA本格化が意味すること
- 中東危機でBTCが7万ドル台を維持した理由と「安全資産化」論争の現在地
- ブータン政府が175BTCを売却、2026年累計売却額が約67億円に到達した背景
- ERC-8183(AIエージェント間取引規格)発表の意義
目次
【重要ニュース①】TradFiの第2フェーズ:SOL現物ETFにGS・FID参入確認、ICEがOKXに出資
米国上場済みのソラナ(SOL)現物ETFについて、13F申告(運用資産1億ドル以上の機関投資家に義務付けられた米国の保有開示)のデータから、ゴールドマン・サックスが約1億743万ドル、フィデリティが約1,014万ドル、モルガン・スタンレーが約1,531万ドルを保有していることが明らかになりました。SOL価格が上場来で約57%下落しているにもかかわらず、累積流入額は約14億5,000万ドル(約2,286億円)に達し、資産の約50%を機関投資家が占めています。ブルームバーグのETFアナリストは「長期志向の本格的な機関投資家基盤が形成されている」と評価しています。(出典:CoinPost)
また、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)が、仮想通貨取引所OKXに出資し、企業価値を約250億ドル規模で評価したことも大きな話題を呼びました。ICEはOKXのガバナンスに関与しつつ、トークン化株式などの新商品展開を視野に入れており、RWA(現実資産のトークン化)分野の本格化を象徴する動きとして注目されています。(出典:Yahoo!ファイナンス)
SOL価格が57%下落するなかでも機関投資家が保有を維持・拡大していることは、短期の値動きではなく長期の資産クラスとしてSOLを評価していることを示します。ゴールドマン・フィデリティ・モルガン・スタンレーという伝統的金融の最大手がアルトL1 ETFに本格参入したことで、「機関マネーの第2フェーズ」が数字として裏付けられました。さらにICEによるOKX出資は、伝統的金融インフラとCEXの融合を意味し、トークン化証券(RWA)の実用化に向けた具体的な一手として市場に評価されています。

【重要ニュース②】中東危機でBTCが7万ドル台を維持、「安全資産」としての真価を問われた1週間
中東情勢の緊迫化を背景にビットコインは7万ドル台を維持し、円建てでも約50万円規模の上昇が確認されました。地政学リスクが高まる局面において、ビットコインが「無政府資産」「安全資産」として機能するかどうかという議論が改めて浮上しています。(出典:CoinPost)
一方、原油価格の急騰と日経平均株価の急落が重なったことで、日本の投資家にとっては株・為替・暗号資産が同時に揺れる環境となりました。国内では「株安・円安のヘッジ先としてのビットコイン」という論調も目立ち、マクロとクリプトの結びつきを意識した動きが広がっています。(出典:CoinPost)
ビットコインがリスクオフ局面で「安全資産」として買われるかどうかは、長年の論点です。今回の急騰は、地政学リスクと株安が重なる局面でのBTC上昇という「有事の金化」を示す実例として市場参加者に強く意識されました。ただし中東リスクの長期化懸念から売り圧力も生じており、ボラティリティの高さは依然として課題です。安全資産としての信頼性が本当に定着するかは、今後の価格推移が試金石となります。

【重要ニュース③】ブータン政府が175BTCを売却、2026年累計売却額が約67億円に到達
オンチェーン分析プラットフォーム「Arkham」のデータにより、ブータン政府関連とされるウォレットから175BTCの移動が確認されました。これにより、2026年に入ってからの累計売却額は約67億円に達しています。(出典:CoinPost)
ブータンはこれまでもビットコインマイニングや保有を通じて暗号資産と関わってきたとされており、今回の売却も財政や外貨準備の一環とみられています。エルサルバドルをはじめとする他の事例と合わせ、国家がBTCを運用・売却する動きとして、市場の注目を集めています。
国家レベルのBTC売却は、市場に直接的な売り圧力を与えるだけでなく、「国家がBTCをどう扱うか」という長期的なシグナルとしても機能します。ブータンの売却規模は小さくとも、各国政府のBTC保有・運用動向を追うことは、需給と価格形成を理解するうえで欠かせない視点です。特に2026年累計約67億円という数字は、国家トレジャリーとしてのBTC活用が継続していることを示す重要なデータポイントです。
その他の注目ニュース
- イーサリアム財団とVirtuals Protocol、AIエージェント間取引規格「ERC-8183」を発表 (CoinPost)
来週(3月16日〜)の動き予想
① TradFi動向:追加13F開示と次のアルトL1 ETFへの波及
ゴールドマン・フィデリティ・モルガン・スタンレーのSOL ETF保有が確認されたことで、来週以降も機関投資家の追加保有報告が出てくる可能性があります。また、BTC・SOLに続く次のアルトL1 ETFの議論(XRP・ADAなど)が加速するかどうかも注目点です。
② BTC価格:中東情勢の動向が引き続き鍵
中東リスクが長期化するか、あるいは緊張が緩和するかによって、BTCの方向性は大きく変わります。地政学リスクが継続するなら「安全資産」買いが続く可能性がありますが、リスクオフムードが広がれば売り圧力も否定できません。根拠のある価格予測は現時点では困難であり、「わからない」と明記します。
③ 国家BTC動向:ブータン以外の政府ウォレット移動に注視
ブータンの売却が確認されたことで、他国政府関連ウォレットの動向にも注目が集まりそうです。オンチェーンデータを継続的に追うことで、国家レベルの売り圧力の有無をいち早く把握できる可能性があります。
- TradFiの第2フェーズ:SOL現物ETFにGS・フィデリティ・MSが本格参入(累積流入約2,286億円)、ICEによるOKX出資(250億ドル評価)が相次ぎ、機関マネーがオルトL1・CEX・RWA領域へ本格進出しつつある。
- 安全資産論争:中東リスク・原油高・日経急落が重なるなか、BTCが7万ドル台を維持。「無政府資産/安全資産」としての再評価が進む一方、ボラティリティの高さも露呈した。
- 国家BTC動向:ブータン政府が175BTCを売却、2026年累計売却額が約67億円に到達。「国家トレジャリーとしてのBTC」という長期テーマを考えるうえでの重要なデータポイント。
- Ethereumエコシステム:ERC-8183(AIエージェント間取引規格)の発表により、AIとブロックチェーンの融合に向けた技術基盤の整備が前進している。
関連記事











