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「ビットコインが10万ドルを突破した」というニュースを聞いて、あなたは興奮したか──
しかし、史上初の10万ドル到達からわずか2日で9万ドル台に急落という現実が待っていた。
2024年12月第1週(12月1日〜7日)の暗号資産市場は、歴史的な到達点と激しい調整圧力という、相反する2つの顔を見せた。
目次
📅 注目ニュース一覧
- 🎉 ビットコイン史上初の10万ドル突破──12月5日に10万4,000ドル到達も、すぐに調整へ
- ✅ トランプ氏がSEC委員長に暗号資産推進派を指名──ポール・アトキンス元委員、規制緩和路線が鮮明に
- 📈 イーサリアムETFが9連続流入──累計13.3億ドル、総資産価値は過去最高125億ドル
- 💬 パウエル議長「ビットコインは金のライバル」──FRB議長が公式に投機的資産クラスとして認定
- ⚠️ 10万ドル突破後に急速な利益確定売り──9万6,000ドル台まで約7.7%下落
- 🌐 年初来上昇率140%達成──4万ドル台から10万ドル突破、2024年は歴史的な上昇相場
- 📊 ビットコインETF累計流入320億ドル──トランプ当選後だけで80億ドル以上流入
- 短期(1週間): 5/10点 ⚠️
- 中期(1〜3ヶ月): 7/10点 ✅
- 長期(6ヶ月〜1年): 9/10点 💎
短期: 10万ドル突破後の利益確定売りが継続中。RSI過熱状態からの調整局面にあり、短期的には9万5,000ドル〜10万ドルのレンジ相場が予想される。
中期: トランプ次期政権の規制緩和姿勢、イーサリアムETF好調、FOMCの利下げ期待など、中期的な好材料が揃い始めている。1〜3ヶ月スパンでは絶好の押し目買い場。
長期: 史上初の10万ドル突破により、ビットコインは新たなステージに入った。機関投資家の本格参入、規制緩和、ETF市場の成熟など、長期投資家にとっては歴史的な買い場である。
📰 注目ニュース① ビットコイン、史上初の10万ドル突破から急速な調整へ
■ 歴史的瞬間の到来
2024年12月5日正午(日本時間)、ビットコインは史上初の10万ドル(約1,500万円)を突破した。
一時10万4,000ドルの高値をつけ、2009年の誕生以来、約1円だった価格が15年で1,500万倍に成長したことになる。
出典: Bloomberg
トランプ次期大統領はSNSで「おめでとう、ビットコイン関係者!」と投稿し、この歴史的瞬間を祝福した。
年初来の上昇率は約140%に達し、2024年は暗号資産市場にとって記念すべき年となった。
出典: 時事通信
- 12月1日: 9万8,000ドル近辺で推移
- 12月5日正午: 10万ドル突破(史上初)
- 12月5日高値: 10万4,000ドル
- 12月6日: 9万9,000ドル台まで下落
- 12月7日: 9万6,000ドル〜9万8,000ドルのレンジ
調整幅: 約-7.7%(10万4,000ドル → 9万6,000ドル)
■ 10万ドル突破の3つの要因
今週の歴史的な価格上昇には、以下の3つの要因が重なった。
【要因1】トランプ次期政権の暗号資産推進姿勢
12月4日、トランプ次期大統領が米証券取引委員会(SEC)委員長に暗号資産推進派のポール・アトキンス元委員を指名すると発表した。現在のゲンスラー委員長が進めてきた厳格な規制路線から、規制緩和へと大きく舵を切る可能性が高まった。
出典: 時事通信
【要因2】ビットコインETFへの継続的な資金流入
1月に承認された米国のビットコイン現物ETFには、今年累計で約320億ドルの純流入があった。特にトランプ氏当選以降は80億ドル以上が流入している。
出典: CoinPost
【要因3】FRBパウエル議長の発言
米連邦準備制度(FRB)のパウエル議長がCNBCのインタビューで、ビットコインを「金(ゴールド)のライバル」と位置づけ、投機的資産クラスとして公式に認めたことも好感された。
■ 利益確定売りの圧力
しかし、10万ドル突破後はすぐに調整局面に入った。
10万ドルという心理的な節目で、長期保有者による大規模な利益確定売りが発生。テクニカル指標のRSI(相対力指数)が70を超える過熱状態となり、さらに米株安によるリスク回避姿勢が暗号資産市場にも波及した。
- 利益確定売り: 10万ドルという心理的な節目で長期保有者が利確
- テクニカル過熱: RSIが70超、過熱感から調整圧力
- 米株安の影響: リスク回避姿勢が暗号資産にも波及
この調整は「健全な利益確定」と見る専門家が多く、長期的な上昇トレンドは継続すると予想されている。
📰 注目ニュース② トランプ次期政権、SEC委員長に暗号資産推進派を指名
■ 規制緩和路線が鮮明に
12月4日、トランプ次期大統領が、ポール・アトキンス元SEC委員を次期SEC委員長に指名すると発表した。
アトキンス氏は暗号資産支持派として知られ、規制緩和を重視する姿勢を示している。
現在のゲンスラー委員長は2022年の市場暴落後、暗号資産の取り締まりを強化していたが、次期政権では180度方針転換する可能性が高まった。
- ゲンスラー委員長(現職): 厳格な規制路線、暗号資産業界を「証券」として取り締まり
- アトキンス氏(次期): 規制緩和路線、暗号資産業界の成長を支援
この人事により、米国の暗号資産政策が大きく転換する可能性が高い。
■ ビットコイン準備金構想も浮上
トランプ氏は選挙期間中、「米国を暗号資産の中心地にする」と宣言していた。
共和党はビットコインの戦略備蓄という構想も支持しており、実現可能性については議論が分かれるものの、次期政権の暗号資産推進姿勢は明確だ。
📰 注目ニュース③ イーサリアムETF、9営業日連続で資金流入──過去最高125億ドル
■ 機関投資家の関心が加速
イーサリアム現物ETFが9営業日連続で資金純流入を記録し、累計流入額は約13.3億ドルに達した。
総資産価値は125億ドルとなり、過去最高値を更新している。
特にブラックロックの「ETHA」は約3億ドル、フィデリティの「FETH」は約1.13億ドルを記録し、機関投資家のイーサリアムへの関心が高まっていることを示す明確なシグナルとなった。
出典: CoinPost
- 9営業日連続流入: 12月5日時点
- ブラックロックETHA: 約3億ドル流入
- フィデリティFETH: 約1.13億ドル流入
- 累計流入額: 約13.3億ドル
- 総資産価値: 125億ドル(過去最高)
■ ステーキング利回りETFの可能性
トランプ次期政権下で、ステーキングによる利回りが組み込まれたETFが登場する可能性も浮上している。
これが実現すれば、より多くの機関投資家の資金を引き寄せることになるだろう。
📰 注目ニュース④ パウエルFRB議長「ビットコインは金のライバル」と発言
■ 公式に投機的資産クラスとして認定
米FRBのパウエル議長がCNBCのインタビューで、ビットコインを「金(ゴールド)のライバル」と位置づけた。
議長はビットコインが決済手段や価値保蔵手段として実際には使用されていないとしつつも、投機的資産クラスとして正式に認定し、従来の金と類似した特性を持つとコメントした。
パウエル議長の発言:
- 「ビットコインは決済手段としてはほとんど使われていない」
- 「しかし、投機的資産クラスとして金と類似した特性を持つ」
- 「金のライバルとして位置づけられる」
この発言は、FRB議長がビットコインを公式に認めた画期的な瞬間として市場に好感された。
📰 その他の注目トピック
- 📊 主要アルトコインも好調──イーサリアムは一時4,042ドルに到達、XRPは2.40ドル台で安定推移
- ⚡ ソラナが高速処理能力で存在感──DEX取引高でイーサリアムを上回る日も多く、220〜230ドルで推移
- 💼 ブラックロックIBIT、上場以来最大の流出サイクル──過去5週間で27億ドル超流出も、底打ち感
- 🌐 暗号資産市場全体の時価総額──約3.8兆ドル、前週比-3.2%も高水準維持
🧠 ビットコイン予備校の視点
2024年12月第1週の暗号資産市場は、「歴史的な10万ドル到達」と「激しい調整圧力」という、相反する2つの顔を見せた。
短期的には慎重姿勢が必要だ。
10万ドル突破後の利益確定売りが継続しており、RSI過熱状態からの調整は避けられない。短期的には9万5,000ドル〜10万ドルのレンジ相場が予想される。
しかし、中長期的には歴史的な買い場である。
以下の3つの理由から、1〜3ヶ月、6ヶ月〜1年のスパンで見れば、現在は絶好の押し目買い場と判断できる。
理由① トランプ次期政権の規制緩和路線
- SEC委員長に暗号資産推進派のアトキンス氏を指名
- ビットコイン準備金構想も浮上
- 「米国を暗号資産の中心地に」という明確な方針
理由② 機関投資家の本格参入が加速
- ビットコインETF累計320億ドル流入
- イーサリアムETF9連続流入、総資産価値125億ドル
- FRB議長が「金のライバル」と公式認定
理由③ 史上初の10万ドル突破で新ステージ突入
- 年初来上昇率140%達成
- 15年で約1円 → 1,500万円(1,500万倍)
- 「デジタルゴールド」としての地位確立
投資家への提言:
- 短期トレーダー: 9万5,000ドルを下限、10万ドルを上限とするレンジ取引を推奨
- 中期投資家: 現在の9万6,000〜9万8,000ドル台は絶好の押し目買い場、分散・時間分散での買い増しを
- 長期投資家: 史上初の10万ドル突破により新ステージに突入、保有継続を強く推奨
来週の最重要イベントは12月18日のFOMC政策金利発表だ。
利下げの有無と今後の金融政策の方向性が、暗号資産市場にも大きな影響を与える。また、12月11日の米消費者物価指数(CPI)も注目だ。
短期的なノイズに惑わされず、データと制度的な変化に基づいた冷静な判断が、次の上昇サイクルで成功するカギとなる。








