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2025年12月、ビットコインは史上最高値12.5万ドルを記録した──
しかしその後、わずか1ヶ月で9万ドル台まで急落。2026年1月現在、暗号資産市場は大きな岐路に立っている。
「これは調整局面の始まりなのか、それとも次の上昇に向けた準備期間なのか?」
業界アナリストの予測は真っ二つに割れている。慎重派は「4年サイクルの調整期」として6万ドル台への下落を警告し、強気派は「流動性スーパーサイクル」として25万ドル到達を予測する。
だが、2026年を語る上で価格予測だけでは不十分だ。なぜなら、この1年は「制度的転換点」としての意味を持つからだ。日本の税制改正、暗号資産ETF解禁、金融商品取引法への移行──これらの制度変化が、日本市場における暗号資産投資の在り方を根本から変える。
目次
📅 2026年の注目イベント
- 📅 2026年1-3月:金融商品取引法改正案が通常国会で審議・成立見込み──暗号資産が「決済手段」から「金融商品」へ
- 💼 2026年前半:米国中間選挙を控え政治的不透明感──トランプ政権の暗号資産政策継続に不確実性
- ⚖️ 2026年中:欧州MiCA(暗号資産市場規制)の運用ガイドライン提示──国際的な規制調和が進展
- 📊 2026年後半:イーサリアムETFのステーキング機能追加審査──「利回り付きETF」実現の可能性
- 🏦 2027-2028年:日本の分離課税施行(最速2027年1月、遅くとも2028年1月)──税率55%→20%へ大幅引き下げ
- 🇯🇵 2026年中:日本で暗号資産ETF組成の準備開始──投信法施行令改正を前提に
- 💰 2026年通年:米国FRBの金融政策が焦点──限定的な利下げ見通しで流動性は抑制的
📊 2026年ビットコイン価格予測──二極化する見方

📉 慎重派の予測(調整局面シナリオ)
■ フィデリティ(Fidelity): 6.5万-7.5万ドル
米資産運用大手フィデリティのジュリアン・ティマー氏は、「4年サイクル」が依然として有効との見解を示している。
2025年10月の12.5万ドルは、過去のサイクルと時間軸・価格の両面で整合しており、「サイクルピーク」だった可能性が高いと分析。2026年を「休みの年(off-year)」と位置づけ、主要なサポートラインを6.5万-7.5万ドルと予測している。
■ ファンドストラット(慎重派): 6万-6.5万ドル
投資調査会社ファンドストラットのショーン・ファレル氏は、2026年前半に仮想通貨市場が大幅に下落すると予想。価格目標を6万-6.5万ドルに設定している。
■ KLabレポート(循環的弱気シナリオ): 底値3.75万ドルも視野
ゲーム開発企業KLabが発表したレポートでは、半減期を軸にした「4年周期」が機能する場合、2026年は「調整と停滞の年」として底値を6.5万-7.5万ドル、最悪のケースで3.75万ドルまで想定している。
- ✅ 2025年10月がサイクルピークだった可能性
- ✅ 半減期後の典型的な調整パターンに従う
- ✅ 2026年は利益確定売りと流動性減少が重なる
- ✅ マクロ経済の不確実性(FRBの限定的利下げ)
📈 強気派の予測(スーパーサイクルシナリオ)
■ ファンドストラット(強気派): 25万ドル
同じファンドストラットでも、共同創業者トム・リー氏は「4年サイクル論自体が崩れつつある」と主張。ビットコインが数ヶ月以内に25万ドルに達するとの強気予想を示した。
ETFの定着、機関投資家の本格参入、現実資産(RWA)のトークン化進展により、従来のサイクル論は通用しなくなっているとの見方だ。
■ KLabレポート(流動性スーパーサイクル): 25万-50万ドル
金融緩和局面と流動性拡大が追い風になり、2026年末に25万-50万ドル到達も視野に入ると整理している。
■ アーサー・ヘイズ氏: 最高50万ドル(途中調整あり)
財政的支配と流動性拡大を前提に、トップ50万ドルを掲げつつ、途中で7.5万-8万ドルへの下振れも織り込む。
■ Digitalcoin: 24.5万ドル
米価格予想サイト「Digitalcoin」の予想では、2026年末までに約24.5万ドルまで価格上昇すると予想している。
- ✅ ETFと機関投資家参入で市場構造が根本的に変化
- ✅ 過去のサイクル論は通用しなくなっている
- ✅ 流動性拡大と規制緩和が追い風
- ✅ RWAトークン化など新たな需要が創出される
📊 業界著名人7人の平均予測: 12.7万ドル
CoinPostが実施した業界著名人7人への調査では、平均予想価格は約12.7万ドルとなった。現在価格(2026年1月時点)の約9万ドルから約42%の上昇を見込む計算である。
最も強気な予測は18万ドル、最も慎重な予測は5万-11万ドルと、予想には大きな開きがある。
🇯🇵 日本市場の大転換──税制改正とETF解禁が変える投資環境

📰 重大ニュース① 金融商品取引法改正──「決済手段」から「金融商品」へ
■ 2026年通常国会で法案審議・成立見込み
金融庁は暗号資産を現在の「資金決済法」による決済手段としての位置づけから、「金融商品取引法(金商法)」上の金融商品へと移行させる方針を固めている。
2026年の通常国会(1-3月)での関連法案の提出および成立が見込まれており、これにより暗号資産は株式や投資信託と同等の規制枠組みで扱われることになる。
■ 何が変わるのか?
- 情報開示義務の強化: 取引所は有価証券に準じた詳しい情報開示が求められる
- 不公正取引規制: インサイダー取引や相場操縦への規制が強化
- 仲介業者への業務規制: 投資家保護の観点から業務ルールが明確化
- 暗号資産ETFの組成が可能に: 投信法施行令の改正を前提に国内ETF解禁
出典: 日本経済新聞
📰 重大ニュース② 分離課税への移行──税率55%→20%へ
■ 2026年度税制改正大綱で正式決定
2025年12月19日、与党は2026年度税制改正大綱を決定し、暗号資産取引を申告分離課税の対象とすると明記した。
現行の日本の税制では、暗号資産取引による所得は雑所得に分類され、総合課税の対象。給与所得などと合算され、住民税と合わせた税率は最大55%に達していた。
これに対し、株式や投資信託などは約20%の申告分離課税が適用されており、暗号資産と既存の金融商品との間にある税制の差異が長年の課題とされてきた。
今回の税制改正により、暗号資産取引の税率は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)へと大幅に引き下げられることとなった。
■ 3年間の繰越控除制度も創設
税制改正大綱では、損失を翌年以降に繰り越せる「3年間の繰越控除制度」も創設される。
これにより、前年に大きな損失が出た場合でも、翌年の利益と相殺できるようになる。株式投資と同様の税制が適用されることで、投資家にとって予測可能性が大きく向上する。
■ 施行時期は2027年〜2028年見込み
税制改正大綱では、適用開始日を「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後」と規定している。
仮に法改正と施行に1年ほどの時間を要した場合、新税制の開始が2028年1月までずれ込む可能性もある。最速で2027年1月、遅くとも2028年1月には施行される見通しだ。
出典: CoinPost / CoinDesk JAPAN
📰 重大ニュース③ 暗号資産ETF解禁への道筋
■ 投信法施行令改正で組成可能に
金融庁は2025年12月26日、令和8年度(2026年度)税制改正大綱の主要項目を公表し、暗号資産ETF(上場投資信託)について「投信法施行令の改正を前提に組成可能」と明記した。
これにより、日本国内でビットコインやイーサリアムなどのETFを組成・上場できる道筋が示された。
■ 暗号資産ETFの税制も20%に
暗号資産ETFから生じる所得も申告分離課税の対象とする内容が盛り込まれており、株式ETFと同様の税率20%が適用される見込みだ。
■ 新NISAでの購入も視野に
金融商品取引法の枠組みに移行し、ETFとして上場されれば、将来的には新NISA(少額投資非課税制度)での購入も可能になる可能性がある。
これが実現すれば、年間360万円の非課税枠で暗号資産投資ができるようになり、国内個人投資家の参入が爆発的に増加すると予想される。
出典: ビットタイムズ
📰 その他の注目トピック
- 🌐 欧州MiCA(暗号資産市場規制)の段階的導入──2026年に運用ガイドライン提示、国際的な規制調和が進展
- ⚡ イーサリアム Pectraアップグレード(2025年5月実施済み)──ステーキング上限引き上げ、スマートウォレット基盤整備
- 💰 米国中間選挙(2026年11月)──トランプ政権の暗号資産政策継続に不確実性
- 📊 FRBの金融政策──2026年は限定的な利下げ見通し、流動性は抑制的
- 🏦 RWA(現実資産)のトークン化加速──不動産、債券、株式などのオンチェーン化が本格化
🧠 ビットコイン予備校の視点──2026年総括と投資戦略

2026年の結論
2026年は、「価格の年」ではなく「制度の年」である。
短期的には調整局面が継続する可能性が高い。FRBの限定的な利下げ見通し、米国中間選挙の不透明感、2025年の急騰に対する利益確定売りの圧力が重なり、ビットコイン価格は6.5万-9万ドルのレンジ相場を予想する。
しかし、価格の調整こそが「次の大相場への準備期間」だ。なぜなら、2026年は暗号資産市場にとって制度的な転換点となるからだ。
① 制度化──日本市場の大転換
- 金融商品取引法改正により「決済手段」から「金融商品」へ移行
- 税率55%→20%への大幅引き下げ(2027-2028年施行)
- 3年間の繰越控除制度創設
- 暗号資産ETF解禁への道筋
② 調整──短期的な価格圧力
- FRBの限定的利下げで流動性は抑制的
- 2025年の急騰に対する利益確定売り
- 米国中間選挙による政治的不透明感
- 4年サイクル論に従えば調整局面の年
③ 準備──長期投資家にとっての仕込み期
- 税制改正施行(2027-2028年)を見据えた資金流入期待
- 暗号資産ETF解禁による機関投資家の本格参入
- 規制整備の進展による市場の成熟
- 2027年以降の大相場に向けた歴史的な買い場
短期的には慎重姿勢が必要だ
2026年前半は、以下の要因から価格の上値は重いと予想される:
- ✅ FRBの限定的利下げ見通し(IMFは2026年の世界経済成長率を3.1%と予測)
- ✅ 米国中間選挙(2026年11月)を控えた政治的不透明感
- ✅ 2025年の急騰に対する利益確定売りの継続
- ✅ ビットコインETFからの資金流出懸念(2025年11月だけで34.8億ドルの純流出)
これらの要因により、6.5万-9万ドルのレンジ相場が2026年前半の中心シナリオだ。
しかし、中長期的には歴史的な買い場が継続する
2026年後半から2027年前半にかけて、以下の好材料が顕在化する:
- ✅ 日本の税制改正施行──最速2027年1月、遅くとも2028年1月に税率20%が適用開始
- ✅ 暗号資産ETF解禁──日本国内でビットコイン・イーサリアムETFが組成される
- ✅ 新NISA対応の可能性──年間360万円の非課税枠で暗号資産投資が可能に
- ✅ 機関投資家の本格参入──金融商品取引法の枠組みで規制整備が完了
- ✅ イーサリアムETFのステーキング機能追加──「利回り付きETF」誕生で資金流入加速
理由① 日本市場の制度的転換
- 税率55%→20%への大幅引き下げにより、国内個人投資家の参入障壁が劇的に低下
- 3年間の繰越控除制度により、長期投資がしやすい環境に
- 暗号資産ETF解禁により、証券口座で気軽に投資が可能に
- 新NISA対応となれば、年間360万円の非課税枠で投資できる
理由② 国際的な規制整備の進展
- 米国のステーブルコイン規制法(GENIUS法)成立により、市場の信頼性向上
- 欧州MiCAの段階的導入で、国際的な規制調和が進む
- 各国で暗号資産を「金融商品」として位置づける動きが加速
- 規制整備の進展により、機関投資家の参入障壁が低下
理由③ 半減期効果の継続
- 2024年4月の半減期から1.5〜2年後にピークを迎えるパターンが過去に繰り返されている
- 仮に4年サイクルが有効なら、2026年の調整後に2027年の上昇が期待できる
- ETFと機関投資家参入で市場構造が変化しても、供給減少の影響は継続
投資家への提言:2026年に向けた戦略
- 短期トレーダー: 2026年前半は様子見が賢明。6.5万-7.5万ドルのレンジ下限での押し目買いを検討。レンジ上限(9万ドル前後)での利益確定も視野に。
- 中期投資家: 2026年の調整局面は絶好の仕込み場。税制改正施行(2027-2028年)を見据え、段階的な買い増しを推奨。特に7万ドルを下回る局面は積極的に買い向かうべき。
- 長期投資家: 歴史的な買い場が継続中。日本の税制改正施行、ETF解禁、規制整備の進展を考慮すれば、2026年の価格水準は2027年以降から振り返れば「信じられないほど安かった」水準になる可能性が高い。ドルコスト平均法での積立投資を継続すべき。
2026年の最重要イベント(時系列)
- 2026年1-3月: 日本の通常国会で金融商品取引法改正案が審議・成立見込み
- 2026年4-6月: 改正法の詳細が明らかになり、暗号資産ETF組成の準備開始
- 2026年7-9月: イーサリアムETFのステーキング機能追加審査が本格化
- 2026年10-12月: 米国中間選挙(11月)でトランプ政権の暗号資産政策継続が焦点に
- 2027年1月: 日本の分離課税施行(最速シナリオ)、税率20%適用開始
- 2027年前半: 日本で暗号資産ETF上場、新NISA対応も視野に
短期的なノイズに惑わされず、制度的な変化に基づいた冷静な判断が、2026年の調整局面を乗り越え、2027年以降の大相場で成功するカギとなる。
2026年は「価格の年」ではなく「制度の年」だ。この1年の制度整備が、暗号資産市場の次の10年を決定づける。
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