米国ステーブルコイン規制が大転換──GENIUS法可決とトランプ政権の本気度
2025年6月19日、アメリカでひとつの歴史的な法案が可決されました。「GENIUS法」と名付けられたこの新しいステーブルコイン規制法が、仮想通貨業界に新たな光を投げかけています。
現職のトランプ大統領が「これは天才的だ」とまで絶賛するなど、政権の本気度もにじみ出ています。
正直に言えば、こうした仮想通貨規制の話題は、これまで「締め付け」や「取締り」といった否定的な印象を持たれがちでした。
でも、今回の動きは違います。アメリカが仮想通貨分野で世界の主導権を握るための、極めて前向きな一手なのです。
目次
GENIUS法──その中身と狙い
GENIUS法(Guidance for Enhanced Innovation and Unified Stablecoin)は、その名の通り「イノベーション」と「統一性」を軸に据えた法案です。
なぜステーブルコインなのか?それは、仮想通貨の中でも「価値が安定している」ことが強みのステーブルコインこそ、現実の経済活動と最も密接につながっているからです。
つまり、法定通貨とブロックチェーンの“接点”。
- ステーブルコイン発行に明確なルールを作ることで、企業が安心して参入できるようにする。
- 米ドルを基軸通貨としての立場を強化する。
- ユーザー保護を徹底し、詐欺的なプロジェクトを排除する。
- 発行体が米国債などの安全資産を担保にすることで、政府の資金調達にも寄与する。
これらの方針から見えるのは、“仮想通貨=敵”というスタンスではなく、“仮想通貨=活用すべき戦略資産”という視点です。
トランプ政権の強気な後押し
大統領自ら「信じられないほど素晴らしい法案だ」と賞賛し、下院に対して「一切の修正なく、即時に通過させよ」と強く要求しています。
なぜなら、これまで仮想通貨に対して懐疑的だったトランプ氏が、ここに来て明確な姿勢転換を見せているからです。
背景には、アジアや欧州の動きを受けて、米国が規制整備で出遅れたままではいけないという危機感もあるでしょう。
市場はどう反応するのか?
投資家にとって、このニュースが意味するのは「米国でのステーブルコイン発行が現実味を増した」ということです。
規制が整えば、これまで様子見だった大手企業や機関投資家が本格参入する余地が生まれます。
規制が「萎縮」ではなく「拡張」の文脈で語られることは、仮想通貨市場全体にとってプラスの材料になるでしょう。
投資家はどう動くべきか
投資家として注目すべきは、次の2点に集約されます:
- 法案の進行状況(特に下院での可決タイミング)を注視すること
- 規制に強いプロジェクト・企業へ早期にポジションを取ること
たとえば、米国での法適合性が高いCircleや、金融当局との連携実績があるPayPalのような企業が恩恵を受けやすいと言えるでしょう。
最後に:仮想通貨は「取り締まる」対象から「育てる」資産へ
GENIUS法の通過は、米国が仮想通貨をどう捉えていくかの“姿勢”をはっきりと示すものでした。
かつては、「ビットコインは犯罪者の通貨」と言われた時代もありました。
でも今、最も保守的とも言える政権が、自ら仮想通貨を育てようとしている。
投資家にとって、これは単なるニュースではなく、価値観の再構築を迫る出来事だと言えるかもしれません。
📎 関連リンク
・日本でも進む暗号資産の「金融商品化」──視野を広げる視点に
📎 出典
・CoinPost「トランプ大統領がGENIUS法成立を強く要求、『天才的法案』と称賛」
📣 ビットコイン予備校 公式X
※本記事は投資助言を目的としたものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の責任でお願いいたします。