ミサキの0からクリプト|第19話

塾長(黒田慎吾)塾長(黒田慎吾)プロフィールを見る
塾長(黒田慎吾)(アップ)
塾長(黒田慎吾)(立ち姿)
← 横にスライドして2枚 →塾長(黒田慎吾)

ビットコイン予備校の運営者兼相談役。

Web事業運営とクリプト実務を経験し、目立つ数字や高利回りを先に見て出口確認が遅れた自身の失敗を、初心者に繰り返させないために相談に乗っている。答えを急がせず、ミサキが自分で確認質問を作れるように、順番を整えることを大事にしている。

© 2026 ビットコイン予備校. キャラクター画像の無断転載・改変・二次利用を禁止します。

画面を押すと閉じます
ミサキミサキプロフィールを見る
ミサキ(アップ)
ミサキ(立ち姿)
← 横にスライドして2枚 →ミサキ

資産運用を学び始めた会社員。

NISAなどはすでに始めているが、暗号資産は未購入・未経験。分からないことをそのまま質問できる一方、大きな数字を先に比較してしまう癖がある。塾長とは初心者向けの勉強会で知り合って数か月になる。

© 2026 ビットコイン予備校. キャラクター画像の無断転載・改変・二次利用を禁止します。

画面を押すと閉じます

第18話で、選ぶ前に確かめることをメモに書き出し、「このメモを母にどう渡せばいいんだろう」と迷ったミサキが、翌日の土曜、いつもの勉強会の会場で、塾長と初めて会った日を思い出す場面です。

「今日は、何も買わずに帰ってください」。あの日、ほかの人と違うことを言ったのは、塾長だけでした。

晩秋の土曜の午後、まだ誰もいない勉強会の会場の後ろの席に座り、膝の上のメモ帳を見ながら、前のスクリーンを見上げるミサキ
晩秋の土曜の午後、勉強会の会場にて

晩秋の土曜の午後。勉強会の会場の貸し会議室に、ミサキはいつもより早く着いた。
まだ誰もいない。並んだ椅子の、後ろの列の端に座る。初めて来た日も、この席だった。

膝の上で、昨日のメモ帳を開く。「0.大きい数字から比べない」。その下に、1から3。
前のスクリーンは、まだ何も映していない。ミサキはそれを見上げているうちに、数か月前のあの日のことを思い出していた。

あの日、ミサキは、暗号資産を買うかどうかを何も分からないまま決めるのはいやで、せめて分かってからにしようと、初心者向けの勉強会に申し込んだ。
登壇者は何人かいた。グラフが右肩上がりの画面が続き、何人もが同じことを言った。「今買わないと遅いです」。
メモを取る手が、だんだん速くなった。帰りに口座だけでも作ろうか、と思いかけていた。

最後に出てきたのが、丸いお腹の、眠そうな目をした人だった。その人は、スクリーンに何も映さないまま話し始めた。

真剣な顔の塾長塾長

最初に、一つだけお願いがあります。
今日は、何も買わずに帰ってください

会場が、少しざわついた。ミサキは、速くなっていたペンを止めた。

終わってから、ミサキは片づけをしているその人のところへ行った。何を聞けばいいのかも分からないまま、口から出たのは一言だった。

眉を寄せるミサキミサキ

あの……結局、買ったほうがいいんですか。
やめたほうがいいんですか

その人は、少し考えてから、答えの代わりに聞き返した。

塾長塾長

それは、私には決められません。
あなたは、何が分かれば決められますか

ミサキは、答えられなかった。買えとも、やめろとも言わない人だった。
帰りの電車でも、聞かれたことが頭から離れなかった。何が分かれば、私は決められるんだろう。

ドアの開く音がして、ミサキは今の会議室に戻った。会場の人が、椅子の数を数えている。
膝の上のメモ帳に目を落とす。昨日のページ。「0.大きい数字から比べない」「1.手数料」「2.中身」「3.自分の言葉で説明できるか」。

眉を寄せるミサキミサキ

あの日の「何が分かれば決められるか」。
その答えを、私、ここに書いてたんだ

昨日は、このメモを母にどう渡せばいいか分からなかった。母が銀行ですすめられて買った、毎月分配の投資信託のことだ。「お母さん、これを見て選び直して」。そう言うつもりでいた。
でも、あの日の塾長は、ミサキに答えを渡さなかった。この数か月も、答えを言う代わりに、ミサキが持ってきた画面や書類を、横で一緒に見てくれた。

はっと気づくミサキミサキ

答えを渡すんじゃなくて、
一緒に見ればいいんだ

ミサキはスマートフォンを出して、母にメッセージを打った。少し迷って、一度消して、打ち直す。

ミサキミサキ

お母さん、今度帰ったら、分配金のお知らせ、もう一度一緒に見よう。
私も、自分のを見直してるところだから

返事は、思ったより早かった。

笑うミサキの母母

あら、先生みたいなこと言うのね。
いいわよ。
お茶菓子、用意しとく

ミサキは、小さく笑った。会場に、少しずつ人が入ってくる。
スマートフォンをしまう前に、カレンダーの通知が目に入った。「年末の旅行、予約」。去年と同じ宿にするつもりで、まだ何も確かめていなかった。

すすめられたときに確かめる順番(ここまでのおさらい)

この記事で分かること

・投資の商品をすすめられたときに、確かめる順番
・それぞれを、何で確かめればいいか
・どの話で学んだか

ミサキが勉強会の日に聞かれた「何が分かれば決められるか」は、商品をすすめられたときにも使える。ミサキのメモの「1.手数料」は下の③、「2.中身」と「3.自分の言葉で説明できるか」は②に当たり、「0.大きい数字から比べない」は最後に書く。ここでは、これに第12話から第18話までにミサキが確かめた①④⑤を足して、確かめる順番に並べ直す。この記事は、特定の商品や金融機関をすすめるものではない。

①それは預金か、投資の商品か
銀行の窓口で扱っていても、投資信託は預金とはちがう商品だ。全国銀行協会は、投資信託は元本が保証されておらず、預金保険の対象外だと説明している(第16話)。最初にここを分けておくと、その後に見る数字の意味が変わる。

②中身は何か
投資信託が何に投資しているかは、商品の説明書である交付目論見書の「ファンドの目的・特色」で確かめられる(第13話)。人に説明できるくらい、自分の言葉で言い換えられるかも、ここで試す。

③費用はいくらか
金融庁の資料は、投資信託の主な費用を、買うときの「購入時手数料」、持っている間にかかる「信託報酬」、売るときの「信託財産留保額」の3つに分けている(第14話・第18話)。持っている間ずっとかかる費用まで、合わせて見る。

④受け取るお金は、どこから出ているか
毎月の分配金は、増えた分から出ているとは限らない。資産運用業協会の用語集は、分配金のうち元本の一部を払い戻したものを「元本払戻金(特別分配金)」と説明している(第15話)。

⑤すすめる言葉に、強い言い切りがないか
金融庁は、「元本も保証します!」のような勧誘に注意するよう呼びかけている(第16話)。ミサキがあの日の勉強会で何度も聞いた「今買わないと遅いです」も、急いで決めさせる言葉だ。言い切りが強いほど、①から④を確かめる前に決めさせようとしていないかを疑う。

この順番の前に、ミサキがメモのいちばん上に書いた「大きい数字から比べない」を置いておきたい。利回りや人気、枠の上限のような目立つ数字を先に見ると、①から④を確かめる前に気持ちが決まってしまいやすい(第17話)。

そして、この順番は、人に答えを渡すためのものではない。ミサキが母に「一緒に見よう」と送ったように、家族の書類を見るときも、一つずつ一緒に確かめていけばいい。

次回|第20話

ミサキ、旅行の見積もりに驚く

次は、旅行会社の店頭にて。去年と同じ旅のはずなのに、見積もりの金額を見たミサキは目を疑います。

第20話を読む →(準備中)全話の目次を見る →

© 2026 ビットコイン予備校. All rights reserved. キャラクター画像の無断転載・改変・二次利用を禁止します。

注意事項・免責事項
本ページは情報提供のみを目的としております。 ご利用時は各自のご判断にて行って下さいませ。 また掲載している情報には細心の注意を払って掲載をしておりますが、正確性および完全性を保証するものではなく、生じた損失には責任を負えませんのでご理解を願います。 ※また予告なしに、掲載情報が変更になる場合も御座います。

公式LINE|暗号通貨に関する情報を毎週配信

LINEで友達募集中

*LINE ID検索時「@176npczt」

質問・相談なども受付していますので、よろしくお願いいたします。