韓国成人の27%が仮想通貨保有──広がる投資意識とウォン建てステーブルコイン構想の行方

韓国では成人の約4人に1人が仮想通貨を保有していることが明らかになりました。ハナ金融研究所の調査をもとに、韓国社会での仮想通貨投資の広がりと、ウォン建てステーブルコイン構想の最新動向を探ります。

仮想通貨が資産形成の選択肢に

2025年6月29日に発表されたレポートによると、韓国成人の27%がビットコイン（BTC）をはじめとする仮想通貨を保有。特に40代の保有率が31%と最も高く、中高年層にも仮想通貨投資が広がっています。資産形成や老後資金準備として仮想通貨を選ぶ層が増えており、仮想通貨が投機から資産運用の手段へと認識を変えている様子がうかがえます。

投資スタイルと情報収集の進化

韓国の仮想通貨投資家は、短期売買から積立・長期運用重視へとスタイルを転換しています。積立投資を行う割合は過去の10%から34%へと大幅に上昇。情報収集も掲示板や口コミから、公式取引所の情報や分析プラットフォームへと移行し、信頼性を重視する姿勢が強まっています。

ウォン建てステーブルコイン構想が進展

韓国では、主要8銀行がコンソーシアムを組みウォン建てステーブルコイン発行を目指しています。政府与党は企業によるステーブルコイン発行を認める法案を提出し、市場拡大への土台作りを進めています。一方で、韓国銀行は段階的導入と高い規制水準を求める慎重姿勢を維持しており、市場の健全性と金融政策の両立が課題となっています。

韓国の動向は、仮想通貨が国民の資産形成手段として定着しつつある現状と、金融制度の変化が生み出す新たな可能性を象徴しています。ウォン建てステーブルコインの成否が、韓国のみならずアジアのデジタル金融地図を塗り替えるか──今後も注目が必要です。

参考資料: 韓国、成人の仮想通貨保有率「27%」ウォン建てステーブルコイン構想に関心が高まる
記事作成日: 2025年6月30日
免責事項: 本記事は投資助言を目的としたものではありません。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。