「5%の錬金術」──イーサリアムで純資産6倍、ビットマインの大胆戦略
目次
ETH版マイクロストラテジーを掲げたトム・リー氏の賭け
米ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが掲げる「イーサリアム供給量の5%取得」という壮大なトレジャリー戦略が、わずか18日で同社の純資産を6倍に引き上げた。プレゼンテーション「5%の錬金術」で会長トム・リー氏が語ったのは、ETHを軸とした成長シナリオと、その背後にあるマクロ経済的な確信だった。
同社は、米国発の完全規制準拠型バリデータネットワークの構築を目指し、資産の中心にイーサリアムを据える構えだ。
ステーブルコインの爆発的成長がETH需要を後押し
リー氏が注目するのは、ステーブルコインの台頭がETH需要を根底から変えるという視点だ。JPモルガンやアマゾンのような大手による発行計画が進行中で、米財務長官も4兆ドル市場への成長可能性に言及している。ステーブルコインの60%以上がEthereum上に構築されている現状を踏まえれば、これらの動きはそのままETHの実需へとつながる。
ビットマインの戦略──ETHの財務活用で加速
- 株式・社債で調達した資金をETHに変換し保有増加
- 高ボラティリティを逆手に取り、低コストで資本拡大
- ステーキング収益をETH再投資に活用
- 他社買収による資産基盤の強化
さらに、PoS基盤のイーサリアムネットワークにおいてステーキングを通じて安定収益を得るこのモデルは、「インフラ型トレジャリー企業」としての機能も担っている。
18日で資産27億ドル、時価総額は6倍へ
2025年7月8日に私募で2億6500万ドルを調達してからわずか18日後の7月27日、同社は資産を27億ドルまで拡大。主な構成は60万ETH(約23億ドル)、現金3.7億ドル、BTC約2,300万ドルで、1株あたりの純資産価値(NAV)は23ドルに到達。これは18日前の4ドルから実に6倍の成長を意味する。
マイクロストラテジーとの比較で浮き彫りに
リー氏は、ビットマインの成長速度が「マイクロストラテジーの10倍」であると強調。180日で27億ドルに達した同社と比べ、ビットマインは18日で同額の資産に到達したと述べた。
ETH価格が1.5倍に上昇した中で、同社株価は9.5倍へと急騰。ETHベースでの資産増加と市場の評価が一体となっている。
「ETHの5%」がもたらす未来
今後はNFTプロジェクトとの連携や、選択的なハイリターン投資を通じてETHネットワークへの関与を強めるとしつつも、最終目標は変わらない。「Ethereum供給の5%取得」こそが、同社の最大の野望であると、リー氏はプレゼンの最後で再確認した。
参考資料: CoinPost|18日間で純資産が6倍、米ビットマイン会長が語るイーサリアム「5%の錬金術」戦略とは
記事作成日: 2025年7月29日