イーサリアム、操作ミスで永久喪失したETHが91万枚に──供給量の0.76%
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バグ・エラーによる損失額は34億ドル超
イーサリアム(ETH)のバグやユーザーの操作ミスによって永久に失われたETHの総量は91万3111ETHに達し、現在の流通供給量の約0.76%を占めることが分かりました。コインベースのプロダクト責任者コナー・グローガン氏が7月20日にX上で明らかにしました。
これらのETHは市場価格で約34億3000万ドルに相当します。加えて、2021年導入のEIP-1559によって自動バーンされた約530万ETHも含めれば、失われたETHの合計は620万ETH(234億ドル)となり、全供給量の約5%に相当します。
失われたETHはこの1年で44%増加
2023年3月時点の同様のレポートでは、失われたETHは約63万6000ETHでした。そこから約44%増していることになり、現在も多くのETHが回収不能な状態で発生していることが示唆されています。
主な損失事例は以前と変わらず、パリティ・マルチシグのバグ(30万6000ETH)やクアドリガによる誤送信(6万ETH)、NFTの不適切なミント(1万1500ETH)などが挙げられます。
加えて、バーンアドレスへの新たな送金によってさらに1000ETHが追加で失われたと報告されています。
真の損失額はこれ以上か
グローガン氏は「実際の失われたETHはもっと多い」とも指摘しており、秘密鍵の紛失やアクセス不能なジェネシスウォレットなどは、今回の集計に含まれていないと明かしています。
イーサリアム供給構造の変化
イーサリアムにはビットコインと異なり発行上限は設けられていませんが、EIP-1559およびマージ(The Merge)によって、供給量は柔軟にコントロールされています。
ロンドン・ハードフォークとともに導入されたEIP-1559は、取引手数料の一部を自動バーンする仕組みであり、2022年9月のマージによってPoSへ移行したことで新規発行量も抑制されました。
YChartsのデータによると、ETHの供給量は2022年9月に1億2050万ETHを記録。その後バーンの影響で2024年4月には0.4%減少したものの、2025年7月現在は1億2070万ETH前後で推移しています。
参考資料: Cointelegraph Japan|イーサリアムの「永久に失われたETH」 バグや操作ミスで91万ETHに到達
記事作成日: 2025年7月22日