
2026年6月1日(月)から6月7日(日)にかけての仮想通貨市場を振り返る週間まとめです。今週はStrategyによる約3年ぶりのBTC売却、マウントゴックス管財人による大規模送金、中東情勢悪化と米金利上昇という複数の悪材料が重なり、ビットコインは年初来安値を更新しました。前週の75,000ドル台から一気に61,000ドル台まで下落するという、かなり激しい1週間でした。何が起きたのか・なぜ下がったのか・来週どこを見ればいいか——この3つを整理していきます。
- ビットコイン:週初75,000ドル台→6/6に年初来安値61,351ドル→6/7に底堅く推移
- イーサリアム:2,000ドル台前半→6/5に1,700ドル割れ(13ヶ月ぶり安値)→ETF17連続流出から歯止め
- 主な下落要因:Strategyの32BTC売却・マウントゴックス送金・米金利上昇・AI株への資金シフト
- 好材料:6/4にBTC・ETH ETFが同日に純流入へ転換(14営業日の連続流出から反転)
- 注目トピック:日本のビットコインETF解禁議論が本格化。金商法移行で初年度1兆円超の流入期待
目次
📌 今週のビットコイン(BTC)
先週からの流れ
先週末(5月31日)のビットコインは約75,000ドル(約1,125万円)前後。「買い手不在」の構造的な下落が続く中、ETFからの流出も5月20日から続いており、機関投資家の売り圧力が続く状況でした。S&P500が史上最高値圏を維持している一方で、ビットコインは独自の下落を演じる「デカップリング(切り離し)」が鮮明になっていました。
今週の動き
今週の下落には「引き金」と「燃料」があります。
引き金となったのは、6月1日(日)に公開されたフォーム8-Kで明らかになったStrategyの約3年ぶりのBTC売却です。同社は5月26日〜31日に32BTC(約250万ドル、平均約77,135ドル)を売却したと開示。売却代金は優先株の配当支払いに充てられました。
数量だけ見れば総保有量843,706BTCの0.0038%という極めて小さな規模です。しかし「Strategyは永遠に売らない」という市場の前提を崩す初の売却だったため、心理的なダメージは数字以上に大きく、BTCは急落しました。
さらに同じタイミングで、マウントゴックス管財人による約10,306BTC(約7.3億ドル相当)のウォレット間送金がオンチェーン監視ツールで検知され、「売却されるのではないか」という警戒感が広がりました。ウォレット間の資金移動は売却とは別の話ですが、混乱した市場では売りのトリガーになりやすく、センチメント悪化に拍車をかけました。
さらにレバレッジ清算の連鎖も下落を加速させました。価格が下がると、上昇に賭けていた投資家(ロングポジション)が強制的に決済され、それがさらなる売りを生む——この連鎖が短期間での急落を加速させた要因のひとつです。
6月6日には米金利上昇も加わって複合悪材料が揃い、BTCは年初来安値61,351ドル(約920万円)を記録しました。CryptoQuantのオンチェーンデータによると、今回の下落の本質は「売り圧力の増加」ではなく、「買い手の消失」にあるとされています。
一方で6月7日(土)、中東情勢改善の兆しと14営業日ぶりのETF純流入を受けて底堅さを確認。また週末にはセイラー氏自身がXに買い増しを示唆する投稿を行い、底打ちへの期待が芽生えています。
- Strategyの32BTC売却:「永遠の買い手」神話が崩れた心理的ダメージ
- マウントゴックス送金:約7.3億ドル相当のオンチェーン移動が売却懸念を呼んだ
- 米金利上昇:リスク資産全般への圧力が強まった
- AI株への資金シフト:機関投資家マネーがビットコインより米テック株を選んでいる
出典:CoinPost|マウントゴックス、約1万BTCのビットコインを新ウォレットに移動(2026/06/02)/nadanews|2026年6月のビットコイン急落はなぜ起きたのか──CryptoQuantデータから読む「買い手不在の市場」(2026/06/05)
来週、ここを見てください
底打ちを判断するには1つの材料だけでは不十分で、①ETFへの資金流入が単日ではなく複数日続くか、②レバレッジ清算が一巡して売り圧力が落ち着くか、③米金利上昇への懸念が和らぐか——この3つが揃って初めて本格的な反転サインと見ることができます。また60,000ドルの大台を守れるかどうかが最重要の水準です。この水準を割り込むと次のサポートが大幅に遠ざかります。
出典:CoinPost|ビットコイン1,000万円台まで下落も底堅く推移、中東情勢改善とETF動向が焦点(2026/06/07)/CoinPost|ビットコイン一時1,000万円割れ、マウントゴックス送金で売却警戒強まる(2026/06/04)
📌 今週のイーサリアム(ETH)
先週からの流れ
先週末のイーサリアムは2,092ドル前後。BTCの急落に連動しながらも2,000ドルを維持し、相対的な底堅さを見せていましたが、新規資金の流入は乏しく買いは限定的な状況が続いていました。
今週の動き
今週はBTCの急落以上に厳しい展開となりました。6月5日にETHは1,700ドルを下回り、2025年5月以来約13ヶ月ぶりの安値を記録しました。約1年分の上昇がほぼ消失した形です。
ETHの下落はBTCへの連動だけが理由ではありません。ETHはBTCと比べて値動きが大きく出やすい性質(高ベータ性)があり、相場が悪化するとBTC以上に下落しやすい構造があります。加えてETH ETFは17営業日連続で資金が流出し続け、DeFi(分散型金融)市場全体の取引量低迷も重なりBTCより弱い動きが続いています。
ただし6月4日にはBTCと同日にETH ETFに1,930万ドルの純流入が確認され、連続流出に歯止めがかかりました。
出典:CoinPost|米ビットコイン・イーサリアム現物ETF、同日に純流入に転換(2026/06/05)
来週、ここを見てください
1,700ドルの維持が直近の最重要水準です。この水準を下回って安定してしまうと、1,550ドル付近まで下落目標が広がるシナリオも意識されています。反発するには1,893ドル、さらに2,000ドルの回復が条件となります。ETF流入が継続するかどうかが、ETHの方向性を決める最大の材料となるでしょう。※以上はビットコイン予備校編集部の見解です。
📌 今週の注目トピック|日本のビットコインETF解禁議論が本格化
価格が厳しい週だったからこそ、中長期的に重要なニュースをしっかり確認しておきましょう。
「解禁されるかどうか」から「いつ解禁されるか」へ
6月6日、nadanewsが報じた分析によると、日本では暗号資産の金商法(金融商品取引法)移行に伴い、市場の関心が「ビットコインETFが解禁されるかどうか」から「いつ解禁されるか」へと変わりつつあるとのことです。
金融庁・政府・国会は現在、暗号資産を資金決済法から金商法の枠組みへ移行する法改正を進めています。すでに国内大手証券会社がBTC・ETHを組み入れた投資信託の取り扱いに向けた準備を進めており、現物ビットコインETFが実現すれば初年度で1兆円超の資金流入が期待されるという試算もあります。
米国の現物ビットコインETF承認から約2年半が経過し、日本は「次の大きなETF市場」として注目を集めています。ETFが解禁されれば、これまでビットコインを直接買うことに抵抗があった国内機関投資家・個人投資家の資金が流入しやすくなります。1兆円規模の新規資金は、現在の価格低迷からの回復材料として市場が強く期待しているものです。
出典:nadanews|ビットコイン市場を救うのは日本か──ETF解禁がもたらす1兆円超の新規資金流入(2026/06/06)
来週、ここを見てください
金商法移行の審議スケジュールと、国内証券各社のETF取り扱い準備に関する続報に注目してください。具体的な解禁時期のアナウンスが出れば、市場への好影響が期待されます。国内の制度整備は「地味だが確実に進んでいる」という点を、特に長期視点で資産を保有している方は覚えておいてください。
その他の注目ニュース
- 機関投資家のBTC保有、第1四半期に17%減 銀行勢は前年比4倍増(CoinPost 2026/06/05)https://coinpost.jp/?p=714716
- 6月3日、市場センチメント指数が年初来最低の「6/100」を記録(nadanews 2026/06/05)https://www.nadanews.com/353944/
- Strategyのセイラー氏、週末にXで買い増しを示唆する投稿(nadanews 2026/06/08)https://www.nadanews.com/354433/
まとめ
Strategy売却が引き金となり、複合悪材料が重なってBTCが年初来安値を更新。しかし週末に底堅さを確認し、日本ETF解禁という中長期の好材料も浮上した週。
- BTC:先週末75,000ドル→6/6に年初来安値61,351ドル→6/7に底堅く推移。下落の本質は「買い手の消失」
- ETH:13ヶ月ぶり安値1,700ドル割れ。高ベータ性・ETF17連続流出・DeFi低迷が重なりBTCより弱い動き
- ETF:13営業日連続・過去最長の流出(累計43.6億ドル超)→6/4に14営業日ぶり純流入転換
- 日本ETF:金商法移行で「いつ解禁か」の段階へ。初年度1兆円超の流入期待が浮上
- 来週の焦点:60,000ドルの大台を守れるか。ETF流入継続・清算一巡・金利の落ち着きの3条件が揃うかどうか











