
2026年7月6日(月)から7月12日(日)の仮想通貨市場を振り返る週間まとめ記事です。
今週のビットコインは、週前半に企業のBTC売却や市場の先行き不安を受けて大きく揺れたあと、週後半には6万4,000ドル台(約1,037万円)まで回復しました。米国の現物ビットコインETFも8週間ぶりに週間流入へ転じ、6月から続いてきた資金流出に変化が見え始めています。
ただし、今回の反発だけで底打ちが確認されたわけではありません。今週の核心は、「買い手は戻り始めたが、弱気相場の終了を裏付けるにはまだ足りない」という点です。
- BTCが5万7,000ドル台から6万4,000ドル台へ反発した背景
- 企業のBTC売却で相場が大きく揺れた理由
- 現物ビットコインETFが8週間ぶりに流入転換した意味
- 米SECが検討する仮想通貨規制緩和の内容
- 来週確認すべき「底打ちの条件」
- BTC:週前半に乱高下したあと、週末には6万4,000ドル台まで回復
- ETH:週初の約28.8万円から週末には約29万円まで持ち直す
- ETF:BTC現物ETFは8週間ぶりに週間純流入へ転換
- 規制:米SECが証券登録の一時免除やセーフハーバー案を検討
- 市場判断:反発材料は増えたが、機関需要とデリバティブ市場には警戒感が残る
目次
BTC(ビットコイン)の値動き
先週からの流れ
先週のBTCは、200週移動平均線を割り込んだあとに6万ドル台を回復しました。ただし、米国のビットコイン現物ETFは6月に約45億ドルの純流出を記録しており、市場では「下げ止まったのか、それとも一時的な反発なのか」を見極める段階が続いていました。
その状況で迎えた今週は、企業によるBTC売却が明らかになったことで、週の序盤から大きく価格が動きました。
今週の動き
7月6日時点のBTCは約1,026万円、ETHは約28.8万円で推移していました。世界の暗号資産時価総額は約363兆円、BTCドミナンスは約58.5%でした。(出典:Crypto Times 2026/07/06)
その後、ストラテジーによる3,588BTCの売却が市場に伝わり、7月6日夜から7日朝にかけてBTCは円建てで50万円を超える荒い値動きとなりました。米国のビットコイン財務企業が売却に動く一方、Striveなど別の企業による買い増しも確認され、売りと買いが正面からぶつかる展開となりました。(出典:CoinPost 2026/07/07)
週後半になると、市場の空気は改善します。米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が続くとの見方から原油価格が下落し、リスク資産への警戒感が後退しました。現物市場を中心に買いが入り、7月11日朝にはBTCが6万4,000ドル台まで回復しています。
CoinPostによると、BTCは7月初旬に一時5万7,000ドルまで下落して年初来安値を更新したものの、週末には6万4,000ドル台へ戻しました。上昇時には先物市場の資金調達率が急上昇しておらず、過度なレバレッジではなく、現物主導の買いが中心だったと分析されています。(出典:CoinPost 2026/07/11)
BTCが5万7,000ドル台から6万4,000ドル台へ戻したこと自体は前向きです。特に、先物の過剰な買いではなく現物需要が反発を支えた点は、短期的な安心材料になります。
一方で、6万4,000ドル台は売りが出やすい水準でもあります。反発したという事実と、上昇トレンドへ戻ったという判断は分けて考える必要があります。
重要ニュース①|現物ETFが8週間ぶりに週間流入へ転換
今週、相場の構造面で最も重要だったのが、米国の現物ビットコインETFと現物イーサリアムETFへの資金流入です。
対象期間終了後に公表された集計によると、7月6日から10日までの5営業日で、BTCとETHの現物ETFには合計2億8,180万ドル(約457億円)が流入しました。
BTC現物ETFは週間で約1億9,740万ドルの純流入となり、それまで続いていた8週間連続の資金流出が終了しました。この8週間で流出していた金額は約82億6,000万ドルに達しており、ETF上場後で最長の流出期間でした。(出典:CoinPost 2026/07/13)
日別では、7月6日に約2億6,569万ドルが流入し、7日も小幅なプラスとなりました。8日と9日は再び流出しましたが、10日には約9,044万ドルの純流入へ戻しています。
ビットコインETFは、機関投資家がBTC市場へ資金を入れる主要な入口です。ETFフローが8週間ぶりにプラスへ転じたことで、6月まで続いていた「機関投資家の買い手不足」に変化が現れました。
ただし、週間流入額は過去8週間の流出額と比べれば小さく、1週間の流入だけで構造転換と判断するのは早い点に注意が必要です。
重要ニュース②|米SECが仮想通貨向け規制緩和案を準備
米国の規制面でも大きな動きがありました。
米証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨企業に対する証券登録の一時免除や、一定条件を満たす事業者を規制執行から保護する「セーフハーバー」の創設を含むルール案を、7月中にも提案する方針を示しました。
このほか、仮想通貨を取り扱うブローカーに適用される流動資本ルールの見直しも検討されています。(出典:CoinPost 2026/07/08)
これまで米国では、既存の証券規制を暗号資産へどのように適用するかが明確でなく、企業側がサービス開始後に規制違反を指摘されるリスクがありました。セーフハーバーが導入されれば、一定期間は規制当局と調整しながら事業を進められる可能性があります。
規制緩和は、短期的なBTC価格だけでなく、米国で仮想通貨事業を展開する企業の参入判断に影響します。証券該当性や登録義務に関する不確実性が下がれば、取引所・カストディ・トークン発行・金融商品の開発が進みやすくなります。
ただし、現時点では正式決定ではなく提案段階です。具体的な対象条件や免除期間が公表されるまで、内容を確定的に評価することはできません。
重要ニュース③|トランプ氏、子ども向け投資口座へのBTC追加を示唆
7月7日、トランプ米大統領は、子ども向けの税優遇投資口座「トランプ・アカウント」にビットコインを組み入れる可能性を示唆しました。
現時点でトランプ・アカウントの投資対象はETFに限られており、BTCを追加するには制度変更が必要です。しかし、トランプ氏が「何かが起きるかもしれない」と発言したあと、BTCは前日比約1.8%上昇し、6万4,000ドル付近まで回復しました。(出典:CoinPost 2026/07/07)
同口座は、子どもの将来に向けて長期的に資産を積み立てる制度です。仮にBTC関連商品が投資対象へ加われば、短期売買ではなく、長期保有を前提とした新たな資金経路が生まれる可能性があります。
ビットコインが子ども向けの長期投資制度に組み込まれれば、BTCの位置づけが「投機対象」から「世代をまたぐ資産形成商品」へ広がる象徴的な変化になります。
ただし、現時点では大統領による示唆にとどまり、正式な制度変更や導入時期は明らかになっていません。
ETH(イーサリアム)の値動き
先週からの流れ
先週のETHは、BTCの6万ドル回復に連動して持ち直したものの、独自の買い材料には乏しい状態でした。BTCには企業財務や現物ETFという資金経路がありますが、ETHはBTCの値動きを追う展開が続いていました。
今週の動き
7月6日時点でETHは約28.8万円で推移していました。その後、BTCの乱高下に連動して上下したものの、7月11日には約29万円まで持ち直しています。(出典:Crypto Times 2026/07/11)
また、対象期間終了後に公表されたETF集計では、7月6日から10日までのETH現物ETFに約8,440万ドルの資金が流入しました。BTCとETHの現物ETFがそろって週間プラスとなったのは、5月初旬以来です。(出典:CoinPost 2026/07/13)
来週、ここを見てください
ETHで確認したいのは、ETF流入が翌週も続くかです。
BTCだけでなくETHにも機関資金が戻れば、暗号資産市場全体の反発へ広がる可能性があります。一方、BTCだけが上昇し、ETHが再び出遅れる場合、資金はまだ最も安全性が高いと見られているBTCへ集中していると判断できます。
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来週の動き予想
① BTCは6万4,000ドル台を上抜けられるか
今週のBTCは5万7,000ドル台から6万4,000ドル台まで回復しました。次に必要なのは、6万4,000ドル台で売られず、さらに上の価格帯へ進めることです。
6万4,000ドル台を維持できれば、年初来安値からの反発が一時的な買い戻しではないとの見方が強まります。一方、再び6万ドルを割り込めば、今回の上昇は短期的な反発だったと受け止められる可能性があります。
② ETF流入が2週連続で続くか
BTC現物ETFは8週間ぶりに週間純流入へ転じました。ただし、過去8週間の流出額に対し、今週の流入額はまだ限定的です。
翌週も流入が続けば、機関投資家の需要が戻り始めたとの見方を補強できます。再び流出へ転じた場合は、今週のプラスが一時的だった可能性を考える必要があります。
③ 米国の規制緩和案が具体化するか
SECが検討する証券登録の一時免除やセーフハーバーについて、対象企業・適用条件・免除期間が明らかになるかが注目されます。
市場にとって重要なのは「規制緩和」という言葉ではなく、実際にどの事業がどこまで認められるかです。正式なルール案が公表されるまでは、期待だけで判断しないよう注意が必要です。
④ 底打ち判断には機関需要の継続が必要
グラスノードは、デリバティブ市場が買い方向へ傾き始めている一方、機関投資家需要はまだ安定しておらず、弱気局面の終了を裏付けるシグナルは確認できていないと分析しています。(出典:CoinPost 2026/07/09)
来週は価格だけでなく、ETF資金フロー、現物取引量、デリバティブ市場の下落ヘッジ需要を合わせて確認してください。
※以上はビットコイン予備校編集部の見解です。
今週のまとめ
- BTC価格:7月初旬の5万7,000ドル台から、週末には6万4,000ドル台まで回復
- 反発の背景:地政学リスクへの警戒後退、原油安、現物主導の買いが相場を下支え
- 企業売買:企業のBTC売却で週前半は乱高下したが、別の財務企業による買い増しも確認
- ETF:BTC現物ETFは約1億9,740万ドル流入し、8週間連続の週間流出が終了
- ETH:約28.8万円から約29万円へ持ち直し、現物ETFも週間純流入へ転換
- 米国規制:SECが証券登録の一時免除とセーフハーバーを含む規制緩和案を準備
- 長期資金:トランプ氏が子ども向け投資口座へのBTC追加を示唆
- 来週:6万4,000ドル台の突破、ETF流入継続、SEC規制案の具体化が焦点
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