
2026年6月9日(月)から6月15日(日)の仮想通貨市場を振り返る週間まとめ記事です。
今週のビットコインは、週明け早々に6万ドル割れ寸前まで追い込まれたあと、週末に米・イラン停戦合意の報道を受けて一気に1,047万円まで急回復しました。7日間で約800万円の底から1,047万円まで——その往来の背景に何があったのかを時系列で整理します。
- ビットコインが週初に6万ドル寸前まで下落した3つの理由
- ETFへの資金流入がどのタイミングで転換したか
- 米・イラン停戦合意が価格を動かした仕組み
- 来週のFOMCで「何が出たら上がり、何が出たら下がるか」の判断基準
目次
ビットコイン(BTC)の値動き
- 先週末(6/8):約1,009万円(約63,000ドル)
- 週初(6/9):約1,012万円(約62,000ドル)
- 週間安値(6/10):59,850ドル(約958万円)——2025年10月以来の安値
- 週末(6/15):約65,700ドル(約1,047万円)
- 週間変化:+約3.5% / 安値からの回復幅:+約10%(約89万円)
先週からの流れ
先週(6月2日〜8日)の仮想通貨市場は、すでに相当厳しい状況に置かれていました。
5月下旬以降、米国の現物ビットコインETFから資金が流出し続けており、累計流出額は約47億ドル(約7,500億円)に達していました。売りを主導していたのは長期投資家ではなく、ヘッジファンドやブローカーなどの「短期資金」。問題の本質は「売り圧力」よりも「買い手がいない」状態でした。(出典:nadanews 2026年6月10日)
また6月初めには、長年「絶対に売らない」と言い続けていたストラテジー(旧マイクロストラテジー)が、5月26日〜31日に32BTC(約250万ドル)を売却していたことが明らかになりました。金額は小さくても、「あのストラテジーが売った」という心理的ショックは市場を揺さぶりました。(出典:CoinPost 2026年6月10日)
こうした「買い手不足+象徴的な売り」という地合いのまま、今週が始まりました。
今週の動き——5段階で読む価格の物語
① 週明け(6/9):6万ドルの崖っぷちでスタート
日曜夜から月曜にかけて、市場に急報が入りました。4月以降続いていた米・イランの停戦が突然崩壊。イスラエル軍がイラン中部のイスファハン石油化学施設などを空爆し、イランがイスラエルへ弾道ミサイル約10発を発射したと報じられました。リスク資産から資金が逃げ、原油価格が急騰。週明けのビットコインは約1,012万円(62,000ドル前後)で、「6万ドル」という心理的な節目の寸前に立たされた状態で月曜を迎えました。(出典:Crypto Times 2026年6月9日)
② 6/10(水):年初来安値59,850ドルを記録
水曜早朝、ビットコインはついに59,850ドル(約958万円)まで下落。2025年10月の最高値(約12万6,000ドル)から実に52%の下落水準です。市場の恐怖指数は「極度の恐怖」圏まで落ち込みました。この時点で「底がどこかわからない」という空気が市場を支配していました。
③ 6/11〜12(木〜金):ETFの資金フローに異変
下落が続く中、6月12日(金)に静かな転換点が訪れました。現物ビットコインETFに8,590万ドル(約137億円)の純流入が記録されたのです。FidelityのFBTCが約1,800万ドル、Ark & 21SharesのARKBが約3,200万ドルなど、主要ファンドに買いが入りました。5月半ば以降、4億520万ドル超が流出し続けていた流れに、初めて歯止めがかかりました。
ただし、BlackRockのIBITは依然として週間で3億5,500万ドルの流出が続いており、全体の流れが反転したとは言えない状況でした。(出典:Crypto Times 2026年6月15日)
④ 6/14(日)夜:停戦合意の報道で急騰
日曜夜、相場を一変させるニュースが飛び込みました。米国とイランが停戦合意に達したと報道されたのです。ホルムズ海峡(世界の原油輸送の要所)の再開通も含む合意で、原油価格が急落。「インフレが長引く」という懸念が和らぎ、株・金・仮想通貨が一斉に買い戻されました。
⑤ 6/15(月):1,000万円台を回復
週明けのビットコインは65,710ドル(約1,047万円)で週を終えました。週安値59,850ドルから6日間で約10%の急回復。約958万円から1,047万円への約90万円の値戻しとなりました。ETH・SOLなどアルトコインも連れ高となり、世界の暗号資産時価総額は361兆円(週初)から371兆円(週末)へと拡大しました。(出典:Crypto Times 2026年6月15日)
来週、ここを見てください
来週最大の注目は6月16〜17日のFOMC(米中央銀行の金利決定会合)です。金利の「据え置き」自体は市場がほぼ織り込み済みです。見るべきはパウエル議長の発言のトーンです。
注目すべき具体的なシグナルは以下の通りです。
- BTC上昇につながりやすい発言:「インフレは落ち着きつつある」「今後の利下げ余地を検討している」→金利が下がる期待が高まり、リスク資産に資金が流れやすくなります
- BTC下落につながりやすい発言:「インフレは依然高い」「利下げを急ぐ理由はない」「高い金利をより長く維持する」→5月のPPI(生産者物価指数)が前月比+1.1%と市場予想を上回っており、この可能性が現状では高いとみられています
停戦合意による上昇ムードが続いている状態でFOMCがタカ派的な発言をした場合、その失望感で急落するリスクがあります。FOMCの結果発表(日本時間6月17日深夜3時頃)前後の動きには注意が必要です。

イーサリアム(ETH)の値動き
- 先週末(6/8):約26.9万円(約1,615ドル)
- 週末(6/15):約27.4万円(約1,724ドル)
- 週間変化:+約6.8%
- ETH ETFフロー(週間):1,491万ドルの純流出(BTCと異なり流入転換なし)
先週からの流れ
先週末の時点でETHは約26.9万円(約1,615ドル)。BTCと同様に重い展開が続き、独自の上昇カタリスト(きっかけ)に欠ける状態が続いていました。
今週の動き
今週のETHはBTCにほぼ連動した動きをしました。週初の地政学ショックで下押しされ、週半ばまで低迷。6月15日には約27.4万円(約1,724ドル)まで回復し、週間で約+5%の変化率となりました。
注目すべきは、ETHのETFも週間を通じて1,491万ドルの純流出が継続した点です。BTCのETFが金曜日に流入転換したのに対し、ETHのETFは最終日まで回復の兆しが見えませんでした。「BTCと一緒に上がっているが、ETH独自の買い手がついていない」という構造は先週から変わっていません。
来週、ここを見てください
ETHにとって来週の焦点はETH現物ETFへの資金流入が戻るかどうかです。BTCのETFが流入に転じてもETHが出遅れたままであれば、停戦合意の恩恵をBTCほど享受できない可能性があります。逆にETH ETFに資金が流れ込んできた場合、BTCとの「出遅れ解消」の動きが出てくる可能性があります。FOMCの結果と合わせてETFフローの数字を確認してください。
※以上はビットコイン予備校編集部の見解です。
注目トピック:「買い手がいない市場」で底が見えた理由
今週の相場を振り返って重要なのは、「停戦合意で上がった」という事実だけでなく、なぜ59,850ドルで止まったのかという問いです。
仮想通貨取引会社ウィンターミュートのレポート(6月9日付)は、今回の需給悪化をこう分析していました。「ストラテジーの売却が注目を集めているが、需給の悪化は売却前から始まっていた。ETFと場外取引(OTC)デスクのデータがそれを示している」——つまり問題は「売り手が増えた」のではなく「買い手が消えた」ことでした。(出典:CoinPost 2026年6月10日)
この「買い手不足」の市場に、2つの変化が同時に起きたことが底打ちにつながりました。
ひとつはETFへの資金流入の再開(6/12)。もうひとつは停戦合意による原油価格急落(6/14)です。原油価格の下落は「インフレ長期化」という懸念を和らげ、FRBが高金利を長期維持しなくて済むかもしれないという期待を生みました。「買い手が戻ってきた理由」がそろって初めて、6万ドルを守り切った相場は1,047万円まで反発できたのです。
ギャラクシー・リサーチが6月11日のレポートで指摘した通り、「底打ちを探るプロセスはなお進行中」です。今週の急回復は停戦合意という外部要因によるもので、ETFの資金流入が持続的に回復したわけではありません。来週のFOMCでタカ派的なメッセージが出た場合、今週の上昇分が帳消しになるリスクは残っています。「回復した」と「底を打った」は別物です。(出典:nadanews 2026年6月15日)
来週、ここを見てください
停戦の「正式署名」が今週中に行われるかを確認してください。署名が完了すれば市場の安心感が続きます。一方、交渉が再び難航したり現地で衝突が再燃した場合、今週の上昇は一時的な反発(いわゆる「デッドキャット・バウンス」)だったということになります。またストラテジーによる追加購入の正式開示(セイラー会長が6/14に示唆)も来週前半に出てくる可能性があります。正式開示の有無と購入規模が確認できれば、需要側のシグナルとして重要です。(出典:CoinPost 2026年6月15日)
今週のまとめ
- 週間安値:59,850ドル(約958万円)——2025年10月以来の安値を記録
- 週末終値:約65,700ドル(約1,047万円)——安値から約10%回復
- 下落の本質:「売り圧力」より「買い手不足」。ETF流出の主体はヘッジファンド等の短期資金
- 回復のきっかけ:6/12のETF流入転換+6/14の米・イラン停戦合意の2つが重なった
- 来週の最重要イベント:FOMC(6/16〜17)。「インフレが高い」発言でBTC下落、「落ち着きつつある」発言でBTC上昇の可能性
- 確認すべき指標:停戦正式署名の有無/ストラテジーの追加購入開示/ETFフローの継続性
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