ミサキの0からクリプト|第10話
塾長(黒田慎吾)プロフィールを見る
ビットコイン予備校の運営者兼相談役。
Web事業運営とクリプト実務を経験し、目立つ数字や高利回りを先に見て出口確認が遅れた自身の失敗を、初心者に繰り返させないために相談に乗っている。答えを急がせず、ミサキが自分で確認質問を作れるように、順番を整えることを大事にしている。
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ミサキプロフィールを見る
資産運用を学び始めた会社員。
NISAなどはすでに始めているが、暗号資産は未購入・未経験。分からないことをそのまま質問できる一方、大きな数字を先に比較してしまう癖がある。塾長とは初心者向けの勉強会で知り合って数か月になる。
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画面を押すと閉じます第9話の帰り道、母のことを言いかけてやめたミサキが、翌日の夜、自分の部屋から塾長にメッセージを送る場面です。
「昨日の続き、いいですか」。ずっと引っかかっていた母の話を、ミサキは初めて言葉にします。

晩秋の木曜の夜。部屋着に着替えたミサキは、ソファでスマートフォンを持ったまま、しばらく動かなかった。
昨日、駅で言いかけてやめたことが、まだ胸に残っている。
ミサキ塾長、昨日の続き、いいですか
塾長うん
ミサキ母が何年か前に、知り合いにすすめられた暗号資産の投資で、お金を減らしてるんです。
本人は「いい勉強代だった」って笑ってて
ミサキでも私は、なんだか、ずっと引っかかってて。
昨日の塾長の話を聞いて、思い出しちゃいました
塾長話してくれて、ありがとう
返事はそれだけだった。責める言葉も、なぐさめる言葉もない。ミサキは、少しだけ肩の力が抜けた。
塾長一つだけ、聞いていいか。
お母さんが何をすすめられたか、聞いたことはある?
ミサキ……ないです。
「暗号資産の投資」としか。
何を買ったのかも、誰にすすめられたのかも、知らない
ミサキ何年も引っかかってたのに、中身は一度も聞いてなかったんだ……
塾長責めるために聞くんじゃない。
何があったかを、一緒に知るためだ
ミサキ……明日、電話してみます
目次
知り合いからすすめられる投資の話で、よく起きること
・人を紹介すると報酬が入る仕組みの、投資の誘い
・知人の誘いから始まった暗号資産のトラブルの例
・すすめられたときに、自分で確かめること
投資の話は、広告だけでなく、友人や知人、職場の人から届くこともある。国民生活センターは、商品やサービスを契約したあと、今度は自分が買い手を探し、買い手が増えるごとにお金が入る取引をマルチ取引と呼んで注意を呼びかけている。扱われるものは健康器具や化粧品から出資まで様々で、相談は解約・返金に関するものが多い。
暗号資産でも、同じ形の誘いがある。国民生活センターによると、友人や知人から「暗号資産でもうかる。人を紹介すれば紹介料も入る」と誘われてお金を預けたが、出金できない、返金されない、というケースがみられる。相談事例には、職場の同僚に誘われてお金を渡し、最初は増えている画面をスマートフォンで見られたのに、やがてログインできなくなり、同僚とも連絡が取れなくなった、というものもある。
人を紹介すると報酬が入る仕組みでは、すすめる人にもお金が入ることがある。身近な人の誘いほど断りにくく、確かめるのも遠慮しがちだが、誰がすすめたかと、話の中身は分けて確かめる。国民生活センターは、次のことを呼びかけている。
- 暗号資産の投資を勧める相手からの話を、うのみにしない。
- 暗号資産交換業の登録を受けた業者か確かめ、登録のない業者とは取引しない。
- 取引の内容やリスクが十分に理解できなければ、契約しない。
- 不安に思ったときや、トラブルにあったときは、消費者ホットライン(188)で近くの消費生活センターに相談する。
ミサキはノートの新しいページを開いて、「お母さんに聞くこと」とだけ書いた。そこで、ペンが止まった。何から聞けばいいのか、まだ分からない。
ミサキ、母に電話する
次は、晩秋の夜のベランダ。取り込み忘れた洗濯物を抱えたまま、ミサキが母に電話をかけます。
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