ミサキの0からクリプト|第12話

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ビットコイン予備校の運営者兼相談役。

Web事業運営とクリプト実務を経験し、目立つ数字や高利回りを先に見て出口確認が遅れた自身の失敗を、初心者に繰り返させないために相談に乗っている。答えを急がせず、ミサキが自分で確認質問を作れるように、順番を整えることを大事にしている。

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資産運用を学び始めた会社員。

NISAなどはすでに始めているが、暗号資産は未購入・未経験。分からないことをそのまま質問できる一方、大きな数字を先に比較してしまう癖がある。塾長とは初心者向けの勉強会で知り合って数か月になる。

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第11話で「今度、帰るね」と母に言ったミサキが、翌日の土曜、実家の居間のこたつで母と書類を広げる場面です。

「毎月お金が入るんだから、増えてるのよ」。母が笑って出してきた銀行の封筒を、ミサキは読めませんでした。

晩秋の昼、実家の居間のこたつで、書類を広げてミサキを見る母と、銀行の封筒を一通手にして考えるミサキ
晩秋の土曜の昼、実家の居間にて

晩秋の土曜の昼。電話の翌日、ミサキは朝の新幹線で実家に帰った。
居間のこたつの上には、みかんのかごと、母が引き出しから出してきた書類の山。

ミサキの母母

ほら、電話で言ってたやつ。
コインのは、この封筒にまとめてあったわ

ミサキミサキ

ありがとう。
……あ、契約したときの紙も残ってる

明るく笑うミサキの母母

見て、この右肩上がりの絵。
今見ると笑っちゃうわね。
これはもう、授業料

母はその封筒を、さっさとこたつの脇へよけた。下から、銀行の名前の入った封筒が何通も出てくる。どれも同じ形で、表に「分配金のお知らせ」と印刷されている。

眉を寄せるミサキミサキ

お母さん、これは?
同じ封筒が、何通もあるけど

ミサキの母母

ああ、それは銀行の人がすすめてくれたの。
毎月、お知らせが来るのよ

ミサキミサキ

毎月?

明るく笑うミサキの母母

毎月お金が入るんだから、増えてるのよ。
こっちは、ちゃんとしてるでしょ

ミサキは一通を開いてみた。数字の並んだ表に、知らない言葉がいくつも並んでいる。どこを見れば「増えている」と分かるのか、分からなかった。

眉を寄せるミサキミサキ

……ごめん、私、これ読めないや。
どこを見ればいいのかも、分からない

きょとんとするミサキの母母

あら、ミサキでも?
お母さんなんて、最近は開けてもいないわよ

ミサキミサキ

ねえ、この紙、写真に撮ってもいい?
帰ってから、ちゃんと調べてみたい

明るく笑うミサキの母母

いいわよ。
なんだか、刑事さんみたいね

ミサキはこたつの上に一通ずつ並べて、スマートフォンで撮っていった。封筒の表、中の紙の表と裏。「それ、大丈夫なの?」と聞きたくなるのを、のみこむ。責めるために帰ってきたんじゃない。

ミサキミサキ

お母さん、今度、一緒に見よう。
私がちゃんと分かってから

ミサキの母母

はいはい。
じゃあ刑事さん、みかんでもどうぞ

みかんを受け取りながら、ミサキは撮ったばかりの写真を拡大した。紙のすみの小さな字に、「投資信託」とある。聞いたことはあるのに、説明はできない言葉だった。

銀行の窓口で売っているのは、預金だけではない

この記事で分かること

・銀行の窓口で扱っている、預金以外の商品
・それらが預金ではないこと
・すすめられた商品を見直すとき、最初に確かめること

銀行の窓口では、普通預金や定期預金のほかに、投資信託や保険などの商品も扱っている。同じ窓口で、同じ銀行の人からすすめられるので、どれも預金の仲間のように見えやすい。

でも、これらは預金ではない。銀行法施行規則という決まりで、銀行は投資信託や保険などを扱うとき、預金と取り違えないよう、客に次のことを説明しなければならないとされている。

  • 預金ではないこと
  • 預金保険(第8話で見た、銀行が破綻したときに預金を守る仕組み)の支払いの対象にならないこと
  • 元本(最初に出したお金)の返済が保証されていないこと
  • 契約の相手が誰か

はじめの3つは、店の中の目につきやすい場所にも掲示することになっている。金融庁も、投資信託は預金と違って、受け取る金額が投資した金額より少なくなる「元本割れ」が起きることがあると呼びかけている。預金との違いは、第16話でくわしく扱う。

すすめられて買った商品を見直すときは、まず書類の名前を確かめる。届いた書類の表題や、商品名の近くに「預金」「投資信託」「保険」のどれが書いてあるか。次に、契約の相手として書かれている会社の名前。銀行の窓口で申し込んでも、契約の相手が銀行とは限らない。名前が分かれば、何を調べればいいかが決まる。

次回|第13話

ミサキ、投資信託を知る

次は、日曜の夕方の帰りの新幹線。撮った写真を見返したミサキが、塾長にメッセージを送ります。

第13話を読む →(準備中)全話の目次を見る →

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