ミサキの0からクリプト|第13話

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ビットコイン予備校の運営者兼相談役。

Web事業運営とクリプト実務を経験し、目立つ数字や高利回りを先に見て出口確認が遅れた自身の失敗を、初心者に繰り返させないために相談に乗っている。答えを急がせず、ミサキが自分で確認質問を作れるように、順番を整えることを大事にしている。

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資産運用を学び始めた会社員。

NISAなどはすでに始めているが、暗号資産は未購入・未経験。分からないことをそのまま質問できる一方、大きな数字を先に比較してしまう癖がある。塾長とは初心者向けの勉強会で知り合って数か月になる。

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第12話で母の書類を写真に撮ったミサキが、翌日の日曜の夕方、帰りの新幹線から塾長にメッセージを送る場面です。

「つまり、詰め合わせ?」。塾長の長い説明を、ミサキが自分の言葉に言い換えます。

晩秋の夕方、帰りの新幹線の窓際の席で、スマートフォンに写した書類の写真を見返すミサキ
晩秋の日曜の夕方、帰りの新幹線にて

晩秋の日曜の夕方。帰りの新幹線の窓の外は、もう暗くなりはじめていた。
ミサキは窓際の席で、昨日撮った書類の写真を一枚ずつ見返していく。

ミサキミサキ

塾長、実家から帰る新幹線です。
母の書類、写真に撮ってきました

眉を寄せるミサキミサキ

銀行ですすめられた方に「投資信託」って書いてあって。
投資信託って、なんですか

塾長塾長

おかえり。
投資信託は、投資家から集めた資金を一つのファンドとして、運用会社の指図にもとづき信託銀行が株式や債券に投資し、その成果を保有口数に応じて投資家に帰属させる金融商品で……

眉を寄せるミサキミサキ

待ってください。
新幹線で読むには、長すぎます

塾長塾長

……すまない。
じゃあ、ミサキの言葉で言ってみて

ミサキは長い一文を、もう一度ゆっくり読んだ。集めた資金。運用会社。株式や債券。

ミサキミサキ

つまり、みんなのお金を集めて、プロがまとめて買う……
詰め合わせ?

塾長塾長

うん、入り口はそれでいい。
何が詰まっているかは、商品ごとに違う

真剣な顔の塾長塾長

ただ、正直に言うと、投資信託は暗号資産ほどくわしくない。
だから、一緒に確かめよう

ミサキミサキ

塾長でも、そういうの、あるんですね。
……ちょっと安心しました

塾長塾長

写真の中に、「交付目論見書」と書いた冊子はある?
商品の説明書だ

ミサキミサキ

……あります。
「投資信託説明書(交付目論見書)」。
けっこう厚いです

塾長塾長

全部は読まなくていい。
表紙をめくって最初の「ファンドの目的・特色」だけ、読んでみて

ミサキは写真を拡大した。「ファンドの目的」の欄に、どんなものに投資するのかが短く書いてある。

はっと気づくミサキミサキ

何に投資してるか、ちゃんと書いてありました。
詰め合わせの、中身の表示なんだ……

塾長塾長

そう。
今日は、そこまでで十分だ

少し間があって、もう一通届いた。

得意げな塾長塾長

新幹線だけに、さっきの説明は特急すぎたな

冷めた横目のミサキミサキ

……次からは、各駅停車でお願いします

反応を待つ塾長塾長

……

笑いをこらえるミサキミサキ

……次の駅に着くまでに、ちょっとだけ笑いました

窓の外を、街の明かりが流れていく。写真をもう何枚かめくると、「手続・手数料等」というページに、手数料の欄が二つ並んでいた。

投資信託は、集めたお金をまとめて、運用の専門家が投資する商品

この記事で分かること

・投資信託のしくみと、関わる3つの会社
・投資信託の値段「基準価額」
・預金と違い、値上がりも値下がりもすること

投資信託は、たくさんの投資家から集めたお金を一つの大きな資金にまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品だ。運用でうまくいった分も、損をした分も、出したお金の割合に応じて投資家のものになる。

投資信託には、主に3つの会社が関わる。

  • 販売会社(銀行・証券会社など):投資家の窓口。販売、換金、分配金の支払い、相談などをする。銀行の窓口で買ったなら、銀行はここに当たる。
  • 運用会社:集めたお金を何にどう投資するかを考え、信託銀行に運用を指図する。
  • 信託銀行:集めたお金(信託財産)を、自分の会社の財産とは分けて保管・管理し、運用会社の指図で売買する。

投資信託の値段を基準価額という。組み入れている株式や債券などの時価をもとに毎日計算され、1日に1つの値段として公表される(多くは1万口あたりの値段)。運用会社のホームページや新聞で調べられる。

基準価額は、組み入れている株式や債券の値動きで、上がりも下がりもする。投資信託には元本の保証がない。銀行の窓口で買っても、預金とは違う商品だ。

買う前か買うときに渡される「投資信託説明書(交付目論見書)」は、本文の並び順が決まっている。「ファンドの目的・特色」「投資リスク」「運用実績」「手続・手数料等」の順だ。投資リスクの最初には、元本保証のない商品であることなどが書かれる。どの商品でも、まず「目的・特色」を読めば、何に投資しているかが分かる。

次回|第14話

ミサキ、手数料を数える

次は、晩秋の昼休みのベンチ。母の書類に並んだ二つの手数料を、ミサキが一つずつ数えてみます。

第14話を読む →(準備中)全話の目次を見る →

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