ミサキの0からクリプト|第8話
塾長(黒田慎吾)プロフィールを見る
ビットコイン予備校の運営者兼相談役。
Web事業運営とクリプト実務を経験し、目立つ数字や高利回りを先に見て出口確認が遅れた自身の失敗を、初心者に繰り返させないために相談に乗っている。答えを急がせず、ミサキが自分で確認質問を作れるように、順番を整えることを大事にしている。
© 2026 ビットコイン予備校. キャラクター画像の無断転載・改変・二次利用を禁止します。
画面を押すと閉じます
ミサキプロフィールを見る
資産運用を学び始めた会社員。
NISAなどはすでに始めているが、暗号資産は未購入・未経験。分からないことをそのまま質問できる一方、大きな数字を先に比較してしまう癖がある。塾長とは初心者向けの勉強会で知り合って数か月になる。
© 2026 ビットコイン予備校. キャラクター画像の無断転載・改変・二次利用を禁止します。
画面を押すと閉じます第7話で「この会社に、置いたままでいいんでしょうか」と聞いたミサキが、翌日の仕事帰り、塾長に言われたとおり図書館へ寄った場面です。
「会社に置いておけば、銀行と同じで安全ですよね?」。入門書を開いたミサキは、ある見出しで手を止めます。

晩秋の火曜の夜。閉館まで一時間を切った図書館は、ページをめくる音しかしない。
ミサキは暗号資産の棚から、雑誌のような薄い入門書を一冊抜き出して、窓際の席に座った。
目次をめくっていた手が、ある見出しで止まった。「暗号資産の会社が破綻したら、預けていた資産は?」
ミサキ塾長、図書館にいます。
入門書に「会社が破綻したら」って見出しがあって……。
会社に置いておけば、銀行と同じで安全だと思ってました
塾長本当に行ったのか。
じゃあ一つだけ。
銀行に預けたお金と、暗号資産の会社に置いたもの。
守られ方は、同じだと思う?
ミサキ同じじゃないんですか。
銀行も、会社ですよね……。
ちょっと調べます
ミサキは本を開いたまま、スマートフォンで「預金保険」を検索した。
ミサキ預金保険の対象の一覧、見ました。
銀行、信用金庫、信用組合……。
暗号資産の会社、入ってないです
塾長そこは、銀行と同じじゃない
ミサキじゃあ、会社がつぶれたら、全部なくなるんですか
塾長決めつける前に、その見出しの続きを読んでみて
ミサキはページをめくった。小さな字の段落に、「分別管理」という言葉が太字で載っている。
ミサキ会社のお金と、利用者から預かった分は、分けて管理しないといけないって。
守られてないんじゃなくて、守られ方が違うんだ……
塾長そう。
同じ「預ける」でも、相手が違えば、決まりも違う
ミサキはノートを開いて、昨日の「入口より先に、出口を見る」の下に一行書いた。
ミサキ「置き場所=誰に預けるか」。
……次の章には、自分で持っておく方法もあるって書いてあります
塾長それは、もう少し先でいい。
今日は、預ける相手を見るところまでで十分だ
少し間があって、もう一通届いた。
塾長分別管理か。
ゴミの日みたいに、ちゃんと分けてくれてるわけだ
ミサキ……私の資産を、燃えるゴミと一緒にしないでください
塾長……
ミサキ……「分別」は、もう忘れない気がします
目次
銀行の預金と、暗号資産の会社に置いたものは、守られ方が違う
・銀行の預金と、暗号資産の会社に置いたものの守られ方の違い
・暗号資産の会社に決められている、預かった資産の管理のしかた
・置き場所には「会社に置く」と「自分で管理する」の2つがあること
銀行に預けたお金には、預金保険という仕組みがある。預けた金融機関が破綻したときに、預金を一定の範囲で守る制度だ。対象になるのは、預金保険機構が一覧にしている銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫などで、暗号資産の会社は入っていない。
そのかわり、国に登録した暗号資産の会社(暗号資産交換業者)には、法律で決まりがある。金融庁の資料では、たとえば次のような決まりが挙げられている。
- 利用者から預かった資産と、会社自身の資産を分けて管理する(分別管理)
- 預かった暗号資産は、仕事に必要な分(預かった全体の5%まで)を除いて、インターネットから切り離した「コールドウォレット」など、安全性の高い方法で管理する
- 会社が倒産したときに、預かっていた暗号資産を利用者へ優先して返すための規定
こうした決まりは、過去に、暗号資産の会社の破綻や、預かっていた暗号資産の流出が実際に起きたことを受けて整えられてきた。決まりがあることと、何も起きないことは同じではない。
暗号資産の置き場所には、大きく2つある。
- 会社に置いたままにする:管理は会社がする。守られ方は、上の決まりと、その会社の管理の体制による。
- 自分で管理する:「ウォレット」と呼ばれる道具を使って、自分で持つ。会社が破綻しても影響を受けにくいが、管理を間違えたときに、代わりに守ってくれる人はいない。
どちらがよいかは、人によって違う。まずは、自分の暗号資産を「誰に預けているのか」を言えるようにしておこう。自分で管理する方法は、別の回で詳しく扱う。
閉館を知らせる音楽が流れはじめた。本を閉じかけたミサキの目に、裏表紙の手前の広告のページが入る。気になって、そのサービスの名前をスマートフォンで検索した。
ミサキ本の広告に載ってたサービスのページ、開いてみました。
「預けるだけで年利10%」って。
銀行の金利と、ケタが違うんですけど
塾長……その話は、明日、会ってしよう。
仕事のあと、駅前のファミレスでいいか
いつもより返事が短い、とミサキは思った。借りた本をバッグに入れて、図書館を出た。
ミサキ、塾長の失敗を聞く
次は、晩秋の夜のファミレス。「年利10%」のページを見せたミサキに、塾長が自分の昔の話を始めます。
全話の目次を見る →© 2026 ビットコイン予備校. All rights reserved. キャラクター画像の無断転載・改変・二次利用を禁止します。












