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2026年10月30日、海外のBinanceグローバルでセキュリティ事案が確認され、国内のBinance Japan(バイナンスジャパン)は予防的措置として暗号資産の出庫を一時的に止めました。「バイナンスジャパン 出金できない」と検索して、自分のお金は大丈夫なのか、どうやって出すのか、いつ戻るのかを調べに来た人に向けた記事です。

先に、この記事が渡すことを1つだけ書きます。

「出金できない」と感じたら、まず、止まっているのが「暗号資産の出庫」なのか「日本円の出金」なのかを分けます。そのうえで、Binance Japanのホームページのお知らせ(と公式のSNS)で、今の状況を自分で確かめます。

根拠にした資料(Binance Japanのお知らせ、PayPayのお知らせ、金融庁のページ、業界団体の会員一覧、国内の報道)は、記事の最後にリンクを置いています。

※ 情報提供のみを目的としています。特定の取引所やサービスを勧めたり、比べたりするものではありません。価格や売買の判断、Binanceグローバルで起きた事案の経緯は扱いません(経緯は、2章でリンクする当校の記事にまとめています)。

塾長とミサキ

夕方、予備校の学習スペース。ミサキは席に着く前から、スマートフォンの画面を塾長の方へ向けていた。検索窓には「バイナンスジャパン 出金できない」と入っている。

ミサキミサキ
「塾長、これ。この前のお知らせ、『48時間以内の再開を見込んで』って書いてありましたよね。もう過ぎてるのに、『出金できない』っていう投稿がまだ出てくるんです」
塾長塾長
「48時間は、覚えてたか」
ミサキミサキ
「数字だけは覚えてますよ。……でも、過ぎても出せないってことは、やっぱり中のお金、なくなってたんじゃないですか。私はまだ何も買ってないですけど、いつか預けるかもしれないと思うと、他人事に思えなくて」
塾長塾長
「その投稿の人は、何を、どこへ出そうとしてる?」
ミサキミサキ
「何をって……出金は出金じゃないですか。お金を外に出す——」

ミサキは言いかけて、投稿を一つずつ開き直した。どれも「出金できない」「まだ戻らない」の一言で、何を出そうとしたのかは書いていなかった。

ミサキミサキ
「……書いてないです。日本円を銀行に戻したいのか、ビットコインみたいなのを別の所に送りたいのか、分からない」
塾長塾長
「あのお知らせ、何が止まったと書いてあった?」
ミサキミサキ
「えっと……お知らせの本文に、『暗号資産の出庫を一時的に停止』。……『出金』じゃなくて、『出庫』って書いてあります」

ミサキは画面から目を上げた。

ミサキミサキ
「私、『出金できない』を見て、全部まとめて『お金が消えた』にしてました。何が止まってるのかを先に見ないと、怖がりようもないですね」
塾長塾長
「そこからでいい。止まったのは何で、日本円はどうだったか。資料で順に確かめよう」

1. Binance Japanから「出す」道は3つある

検索でいう「出金」には、Binance Japanのお知らせの言葉で分けると、別々のものが入っています。この記事で一次情報を確かめられた範囲で、3つに分けます。

出すものどこへお知らせでの言い方この記事で確かめられた条件
日本円口座の外へ「法定通貨の入出金」出金先・手数料・反映までの時間は、確かめられていません
暗号資産別の取引所やウォレットへ送る「(暗号資産)出庫」画面の手順・出庫手数料・最小の数量は、確かめられていません
販売所で売った代金PayPayマネー(PayPay残高)へ出金(PayPayのお知らせ)4章の表のとおり(2025年11月21日のお知らせの時点)

日本円の出金と暗号資産の出庫の画面の手順や手数料は、Binance Japanの公式ヘルプのページを当校で保存できなかったため、この記事には書いていません。操作するときは、アプリの表示とBinance Japanの公式ヘルプで確かめてください。

この記事では、まず10月30日に何が止まったかを確かめ(2章・3章)、そのあとPayPayマネーへの出金の条件を見ます(4章)。

2. 10月30日に止まったもの

2026年10月30日、Binance Japanはお知らせで、次のように書きました。

なお、予防的措置として、当社では暗号資産の出庫を一時的に停止しております。

そして、出庫について「48時間以内の再開を見込んでおり、詳細が確定次第あらためてお知らせいたします」としています。

預けている暗号資産について、お知らせが書いていること

場面のミサキは「中のお金、なくなってたんじゃないか」と心配しました。このお知らせは、Binance Japanが利用者の暗号資産を自社のコールドウォレットで管理していて、セキュリティ事案の「影響は確認されませんでした」と書いています。FAQには、次の答えもあります。

A4. 現時点で当社ユーザーへの被害は確認されていません。万が一、当社ユーザーにおいて、本事案による被害が確認された場合には、当社が当該被害額を全額補償することを予定しています。

どちらも10月30日のお知らせの時点の、Binance Japan自身の説明です。補償は「予定しています」という書き方です。

「バイナンス」のニュースは、どちらの会社の話か

このお知らせは、「日本時間2026年10月30日未明に確認されたBinanceグローバルにおけるセキュリティ事案」を受けたものです。セキュリティ事案が起きたのは海外のBinanceグローバルの方です。

ニュースの見出しの「バイナンス」がどちらを指すかには、気を付けてください。たとえばCoinPostの11月2日の記事「バイナンス出金再開、9時間半で純流出約5700億円」で、出金が「1日15時(日本時間、以下同)から段階的に再開した」とされているのは、海外のバイナンスの話です。Binance Japanについては、同じ記事の別の段落で書かれています(3章)。

Binance Japanは、お知らせの最後に「暗号資産交換業者 関東財務局長 第00031号」と書いています。日本暗号資産等取引業協会の会員一覧にも、Binance Japan株式会社が「暗号資産交換業:関東財務局長 第00031号」として載っています。金融庁は、利用者向けのページで「暗号資産交換業者は登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か確認してください」と案内しています。

二つの会社の違いと、事案の経緯は、当校の記事「取引所から暗号資産が流出したら?バイナンスの流出で、利用者が確かめること」にまとめています。

先に予想してください:出庫が止まっている間、日本円も出せなかった?

10月30日のお知らせが出た時点で、Binance Japanの口座の日本円の出金は、できたのでしょうか。

A できなかった。暗号資産の出庫が止まっているのだから、口座のお金は全部動かせない

B できた。止まっていたのは暗号資産の出庫で、日本円の出金は別だった

場面のミサキは、お知らせが「出金」ではなく「出庫」と書いていることに気づきました。でも、言葉が違うことと、実際に日本円が出せたかどうかは、別の問いです。AかBかを決めてから、次の章を読んでください。

3. 答え合わせと、再開を確かめる場所

答え:B(10月30日18時の時点)

Binance Japanのお知らせのFAQは、こう書いています。

A3. 当社では予防措置として、すべての暗号資産の出庫を一時的に停止しています。なお、暗号資産取引、暗号資産の入庫及び法定通貨の出入金は通常通りご利用可能です。

同じお知らせの「現在のBinance Japanのサービス状況」は、次のとおりです。

何をお知らせの時点の状況(原文)
(暗号資産)入庫通常どおり稼働しています。 影響はなく、引き続きご利用いただけます。
(暗号資産)出庫引き続き一時停止中です。 48時間以内の再開を見込んでおり、詳細が確定次第あらためてお知らせいたします。
暗号資産取引(販売所・取引所)通常どおり稼働しています。
法定通貨の入出金通常どおり稼働しています。

止まっていたのは、暗号資産を口座の外へ送り出す「出庫」だけでした。日本円の出金、暗号資産の入庫、売り買いは、このお知らせの時点で通常どおりでした。

ただし、これは「2026年10月30日 18時00分」のお知らせに書かれた状況です。その後もずっと同じだったとは、このお知らせだけでは言えません(当校の読みです)。

11月1日:出庫は「順次」再開と発表

CoinPostの11月2日の記事は、Binance Japanについて、こう伝えています。

同社は11月1日、出庫を順次再開すると発表している。

「順次」は、順に、という意味です。すべての暗号資産の出庫が一度に元どおりになる、という書き方ではありません(当校の読みです)。

Binance Japanの11月1日以降のお知らせは、当校では写しを保存できませんでした。そのため、どの暗号資産の出庫が再開していて、どれがまだなのかは、この記事には書きません。今の状況は、次の場所で確かめてください。

続報が出る場所

Binance Japanは、お知らせのFAQで、今後の情報の出し方をこう書いています。

A5. 当社のホームページ上のお知らせや公式ソーシャルメディアを通じて情報を提供します。

PR TIMESのこのお知らせの会社概要には、Binance JapanのURLとして https://www.binance.com/ja が載っています。

自分の場合を聞きたいとき

同じお知らせは、カスタマーサポートへの問い合わせ方も書いています。

アプリで「未解決」>「カスタマーサービスに転送します」という項目をご選択いただくと、有人のチャット対応が開始されます。

オペレーターの受付時間は、このお知らせの時点では「月曜日から日曜日の午前9時から午後11時まで(日本時間)」と書かれています。今の受付時間は、アプリの案内で確かめてください。

お知らせを読む順番(当校の提案)

  1. いつの時点の話か:お知らせの日付と時刻、「〇時時点」の書き方を先に見る。
  2. 出庫の話か、出金の話か:暗号資産を外へ送る「出庫」と、日本円の「出金」のどちらの行かを見る。
  3. 自分が出したい物が入っているか:出庫なら、自分が送りたい暗号資産が再開の対象に入っているかを見る。日本円なら、自分が使っている出金の道が通常どおりかを見る。

お知らせは、メールやSNSのメッセージのリンクから開かず、自分で開いたアプリやホームページで見てください(当校の提案です)。

4. PayPayマネーへの出金:売るときに、代金をそのまま受け取る形

PayPayのお知らせによると、Binance Japanの販売所では、PayPayマネーから入金して暗号資産を買ったり、「暗号資産の売却代金をPayPayマネーとしてPayPay残高にチャージ」したりできます。同じお知らせに、次の注意があります。

すでにアカウント内にある日本円をPayPay残高にチャージすることはできません。

つまり、口座に置いてある日本円をあとからPayPayへ移す道ではなく、販売所で売るときに、その代金をPayPayマネーで受け取る道です。お知らせは、この受け取りを「出金」と呼び、手数料や上限を決めています。また、「暗号資産現物取引(取引所)及びSimple Earn等のサービスは対象外」とされています。

お知らせに書かれている条件は、次のとおりです。

項目PayPayのお知らせの記載(2025年11月21日)
使える人Binance Japanアプリで本人確認完了済み、PayPayで本人確認完了済み、Binance Japanアプリでアカウント連携について同意済み(全部を満たす人)
初回販売所の中に表示される「PayPay」のアイコンから、PayPayマネーとの連携を有効化する
出金時手数料110円
出金の下限1,000円
出金の上限100万円/24時間、200万円/30日(お知らせの表記は「100万/24時間」)
出金できない場合PayPayマネーの残高限度額を超える場合
対象外PayPayマネーライト

この条件は、2025年11月21日のお知らせの時点のものです。今も同じかは、この記事では確かめられていません。使う前に、アプリの表示で確かめてください。

「出金できない」と感じたときは、止まっているのがサービスの側なのか、こうした条件(下限・上限・残高の限度額・本人確認や連携)に当たっているのかも、分けて見る必要があります(当校の考えです)。

5. まだ分からないこと

  • 11月4日時点の、出庫の最新の状況。 どの暗号資産が再開していて、どれがまだか、まだ再開していない物がいつ戻るかは、この記事では確かめていません。
  • Binance Japanの11月1日以降のお知らせの本文。 当校では写しを保存できず、11月1日の「順次再開」は報道(CoinPost)を通して確かめています。
  • アプリでの、暗号資産の出庫の手順。 画面の順番、送り先の登録、出庫手数料、最小の数量。
  • 日本円の出金の条件。 出金先、手数料、上限、反映までの時間。
  • PayPayマネーへの出金の条件が今も同じか。 この記事の数字は2025年11月21日のお知らせの時点のものです。

塾長とミサキ(続き)

ミサキは、スマートフォンのメモに三行だけ書いた。

ミサキミサキ
「『いつの話か』『出庫か出金か』『自分の物が入ってるか』。……『順次』って、全部いっぺんじゃないってことですよね。じゃあ、まだ戻ってない物もあるかもしれない」
塾長塾長
「あるかもしれないな。それは、お知らせの続きで見るところだ」
ミサキミサキ
「『出金できない』って一言だけ見て、怖がってた自分がちょっと恥ずかしいです。次に見かけたら、まず『何を、どこへ』って聞き返します」
塾長塾長
「それでいい。お知らせは、自分で開いた画面から読むんだぞ」

今日の確認

  • 「出金できない」を、出庫と出金に分ける:暗号資産を外へ送る「出庫」か、日本円の「出金」か。Binance Japanのお知らせは、この2つを別の行で書いている。
  • 出金の道ごとの条件を見る:PayPayマネーへの出金は、販売所で売るときの代金の受け取りで、下限1,000円・手数料110円・上限などの条件がある(2025年11月21日のお知らせの時点)。口座にある日本円をあとからPayPayへ移すことはできない。
  • 続報は、Binance Japanのホームページのお知らせと公式SNSで見る:自分で開いたアプリやホームページから。お知らせの日付と時刻を先に見る。
  • 自分の場合を聞きたいときは、アプリのチャット:「未解決」>「カスタマーサービスに転送します」で有人の対応に切り替わる。
  • ニュースの「バイナンス」がどちらの会社かを見る:海外のBinanceグローバルの出金の再開と、Binance Japanの出庫の再開は、別の発表。

この記事の一次情報と確認日

下の一次情報は、本文を取得して保存した写しと引用を照らし合わせています(確認日:2026年11月4日)。

一次情報

  • Binanceグローバルでのセキュリティ事案を受けた、Binance Japanの対応に関するお知らせ(Binance Japan株式会社、PR TIMES、2026年10月30日18時00分):日本時間10月30日未明に確認されたBinanceグローバルの事案を受けたこと。利用者の暗号資産を自社のコールドウォレットで管理し、影響は確認されなかったこと。予防的措置として暗号資産の出庫を一時停止し、48時間以内の再開を見込むこと。現在のサービス状況(入庫・出庫・暗号資産取引・法定通貨の入出金)。FAQ Q3(出庫だけの停止)、Q4(現時点で利用者への被害は確認されていないこと、被害が確認された場合の全額補償の予定)、Q5(ホームページ上のお知らせと公式ソーシャルメディア)。アプリの「未解決」>「カスタマーサービスに転送します」で有人のチャット対応が始まること、オペレーターの受付時間(お知らせの時点)。「暗号資産交換業者 関東財務局長 第00031号」の記載。関連リンクの https://www.binance.com/ja。
  • Binance JapanとPayPay、PayPayマネーの連携サービスを開始(PayPayからのお知らせ、2025年11月21日):販売所で売却代金をPayPayマネーとしてPayPay残高にチャージできること。アカウント内の日本円をPayPay残高にチャージできないこと。取引所・Simple Earn等とPayPayマネーライトが対象外なこと。初回の連携の有効化。対象利用者の条件。出金時手数料110円、出金の下限1,000円、出金の上限(100万/24時間・200万円/30日)。PayPayマネーの残高限度額を超える場合は出金できないこと。
  • 暗号資産の利用者のみなさまへ(金融庁):暗号資産交換業者は登録が必要で、利用する際は登録を受けた事業者か確かめること。
  • 会員紹介(一般社団法人日本暗号資産等取引業協会):Binance Japan株式会社が「暗号資産交換業:関東財務局長 第00031号」の会員として載っていること。

報道(二次情報)

この記事が確認していないこと

  • Binance Japanの11月1日以降のお知らせの本文(報道を通してだけ確かめている)
  • 11月4日時点の、暗号資産ごとの出庫の状況と、まだ再開していない物の再開日
  • アプリでの出庫・日本円の出金の画面の手順、出庫手数料、最小の数量、日本円の出金先・手数料・上限・反映までの時間
  • PayPayマネーへの出金の条件が、2025年11月21日のお知らせから変わっていないか
  • オペレーターのチャットの今の受付時間

この記事は情報提供のみを目的としており、特定の取引所・サービスへの登録・利用を勧めるものではありません。

連載「ミサキの0からクリプト」

暗号資産をまだ買ったことのない会社員のミサキが、塾長に質問しながら一つずつ確かめていく連載です。第0話から読む →

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