
「bitFlyerで送金できない」「送れる数量が、持っている量より少ない」。そんな画面を前に、壊れたのかと調べに来た人に向けた記事です。
先に、この記事が渡すことを1つだけ書きます。
送金できないときは、まず送付画面の「送付可能な数量」と、日本円入金の詳細画面の「仮想通貨の送付制限解除日時」を見ます。本人確認から90日未満の人が日本円を入れた直後なら、それは故障ではなく、2026年10月15日に始まった詐欺対策の「クールダウン」かもしれません。入金から48時間たった分から、順に解けます。
根拠にしたのは、bitFlyerのプレスリリース(2026年10月2日)とbitFlyerの「よくある質問」、金融庁と警察庁の発表(2026年8月6日)です。どれも記事の最後にリンクを置いています。bitFlyerの画面と資料では、外へ送ることを「送付」と書いています。この記事の「送金」も同じ意味です。
口座の作り方と本人確認の手順は、当サイトの「ビットフライヤー(bitFlyer)取引所|口座開設と本人確認手順!」にまとめています。この記事は、口座を作ったあとの話です。
※ 情報提供のみを目的としています。特定の取引所やサービスを勧めたり、比べたりするものではありません。制限を避ける方法は扱いません。
目次
塾長とミサキ
木曜の夜。夕飯の片づけを終えたミサキは、ソファでスマートフォンを眺めていた。旅行の費用を調べるつもりが、いつのまにか暗号資産の質問サイトを読んでいる。指が止まったのは、こんな投稿だった。
bitFlyerで送金できません。昨日の夜に日本円を入金してビットコインを買い、自分のウォレットに送ろうとしたら、全部は送れないと出ます。口座は先月作ったばかりです。壊れてるんでしょうか?(回答 0件)
ミサキ
ミサキ
塾長
ミサキ
塾長
ミサキ
塾長1. bitFlyerから外へ送る手順
まず、ふだんの送り方です。bitFlyerの「よくある質問」は、bitFlyerで買った仮想通貨を外部に送る方法を、次のように説明しています。
- 送り先のアドレスを登録する。「入出金」メニューで送りたい仮想通貨を選び、「送付」から「アドレスを登録する」を押す。
- メールのリンクで登録を終える。登録しているメールアドレスに、外部アドレスの登録についてのメールが届く。メールの中のリンクから、外部アドレスを登録する。
- 数量を入れて送る。登録が終わったら、「入出金」メニューで送りたい仮想通貨の「送付」を選ぶ。「送付数量」に数量を入れ、最後に「送付する」を押す。
先にアドレスを登録し、メールで登録を終えてから送る、という2段の流れです。送る前に、次の3つを押さえます。
- 取り消せない。「送付する」について、よくある質問は「なお、この操作は取り消しができませんのでご注意ください。」と書いています。送付は、bitFlyerでの確認が終わってから反映される、とも書かれています。
- アドレスを間違えると戻らない。「外部アドレスを間違えて送付した場合、仮想通貨を取り戻すことはできません。」とあり、送り先をよく確かめるよう呼びかけています。
- 通貨によっては、アドレスのほかに登録するものがある。XRPは「宛先タグ」、XEMとXYMは「メッセージ」、XLMは「メモ」を、あわせて登録します。登録しなかったり、間違えて登録したりすると、送り先に反映されないことがあり、そのときは送り先に確かめるよう書かれています。
送付の手数料は、よくある質問から手数料のページへ案内されています。金額は、この記事では確かめていません(5章)。
よくある質問の注意書きには、クールダウンのことも書かれています。本人確認から90日未満の個人が日本円を入金すると、入金後48時間は「クールダウン期間」になり、外部アドレスへの送付に一部制限がかかる、というものです。場面の投稿で起きていたかもしれないのは、これです。
では、送れないときにどこを見るか。その前に、1つ予想してください。
先に予想してください:クールダウン中は、日本円も引き出せない?
クールダウン期間に入ると、暗号資産を外へ送れる量が一部止まります。では、そのあいだ、口座の日本円を銀行へ引き出すこともできなくなるでしょうか。
A 引き出せない。送付が止まっているなら、口座のお金ごと止まっているはず
B 引き出せる。止まるのは、暗号資産を外へ送ることの一部だけ
AかBかを決めてから、答え合わせを読んでください。
答え合わせ
答えはBです。 bitFlyerのプレスリリースは、こう書いています。
クールダウンによって、以下のサービスが制限されることはありません。
続けて挙げられているのは、次の3つです。
- 日本円の入金・出金
- 暗号資産の売買
- 暗号資産の保有・受取
日本円の出し入れも、売り買いも、持っていることも、受け取ることも止まりません。止まるのは、暗号資産を外部へ送ることの一部だけです。プレスリリースは、クールダウン期間中も、すべての暗号資産の送付が制限されるわけではない、とも書いています。また、クールダウンのために利用者がする手続きはありません。
2. 送れないときに見る3つの画面
プレスリリースによると、クールダウンの対象の人は、次の3つの画面で、クールダウンの期間と、送れる数量を確かめられます。
| 画面 | 出ること(プレスリリースの言葉) |
|---|---|
| 暗号資産の送付画面 | クールダウン期間中である旨と、送付可能な数量 |
| 入出金の履歴画面 | 対象となる日本円の入金履歴に「クールダウン中」 |
| 日本円入金の詳細画面 | 「仮想通貨の送付制限解除日時」 |
見る順番は、次のようにすると迷いにくいはずです(順番は当校の提案です)。
- 送付画面で、いま送れる数量を見る。「クールダウン期間中」と出ているか、送付可能な数量がいくつか。
- 入出金の履歴で、どの入金が「クールダウン中」かを見る。
- その入金の詳細画面で、「仮想通貨の送付制限解除日時」を見る。その日時を過ぎれば、その入金の分の制限が終わります。
ひとつ注意があります。プレスリリースは、送付可能な数量は資産の状況によって変わることがあるとして、最新の数量は送付画面で確かめるよう書いています。送る直前に、もう一度送付画面を見ます。
3. クールダウンとは
ここからは、決まりの中身です。プレスリリースに書かれていることを、順に並べます。
いつから・誰が
- 始まった日:2026年10月15日(木)。発表は10月2日。
- 対象:本人確認が終わった日時から90日未満の、個人の利用者。
– すでに口座を作っている人も、本人確認から90日未満なら対象です。
– 本人確認から90日たつと、対象から外れます。
何が・どれだけ止まるか
日本円を入金すると、そこから48時間が「クールダウン期間」になります。止まる量は、プレスリリースではこう書かれています。
この期間中は、48 時間以内に入金された日本円の合計額(手数料を除く)から 10 万円を差し引いた金額に相当する分の暗号資産を外部へ送付できません。
たとえば、ほかに入金が無いときに日本円を1回で30万円入金した場合、その入金から48時間は、30万円から10万円を引いた20万円に相当する分の暗号資産を外部へ送れません(例は当校によるもので、式はプレスリリースのとおりです)。実際にいくつ送れるかは、2章の送付画面の「送付可能な数量」で確かめます。
プレスリリースの注記は「10 万円以下の入金であれば、制限の対象になりません」と書いています。
何回か入金したとき
入金ごとに、それぞれの入金の時点から48時間が数えられます。48時間たった入金の分から、順にクールダウン期間が終わります。入金が何回かあるときは、2章の履歴と詳細画面で、入金ごとに解除日時を確かめます。
クールダウンとは別の制限:クイック入金
プレスリリースの注記に、クイック入金で入れた分には別に7日間の送付制限がかかるため、クールダウンの対象にはならない、とあります。クイック入金で入れた人は、48時間ではなく、こちらの決まりが当てはまります。7日間の制限の細かい条件は、この記事では確かめていません(5章)。
4. なぜ始まったか
bitFlyerが書いている目的
プレスリリースは、クールダウンの目的を「詐欺被害や不正な資金移動の防止」と書いています。bitFlyerはそれまでも、送付画面に、bitFlyerが利用者に暗号資産の送付を求めることはないと書き、bitFlyerを名乗る人や、SNS・マッチングアプリ・投資グループなどを通じて送付を求められたときは十分に注意するよう呼びかけてきた、としています。クールダウンは、そこに足した対策です。
プレスリリースの終わりには、こう書かれています。
bitFlyer がお客様に暗号資産の送付をお願いすることはありません。bitFlyer を名乗る送付依頼はすべて詐欺です。SNS やマッチングアプリ、投資グループなどで送付を求められた場合も、ご注意ください。
もし「すぐに送って」と誰かに急かされて送ろうとしているなら、クールダウンで待たされているあいだに、いったん手を止めて、その相手を確かめてください(当校の提案です)。相手がbitFlyerを名乗って送付を頼んでいるなら、上の引用のとおり、bitFlyerはそれを詐欺だと書いています。
金融庁と警察庁の要請
国の側では、これより前の2026年8月6日に、金融庁と警察庁が、連名で、業界団体の日本暗号資産等取引業協会に、暗号資産を使った詐欺の被害を防ぐ対策をあらためて要請しました。理由として、犯罪の手口が複雑で巧妙になり、暗号資産交換業者の利用者の被害が広がっていることや、特殊詐欺の被害金が暗号資産交換業者の口座あてに送られる例が出ていることを挙げています。
要請の項目には、次の2つが入っています(金融庁の発表の言葉のまま)。
- 法定通貨入金後又は暗号資産購入後の一定期間の暗号資産の出庫制限
- 出庫先の事前登録制及び登録後一定期間の暗号資産の出庫制限
ただし、クールダウンとこの要請との関係は、この記事では確かめていません。また、2つ目の項目について、bitFlyerの送付は1章のとおり先にアドレスを登録する流れですが、登録のあとに一定の期間送れない決まりがあるかどうかは、今回読んだbitFlyerの資料では確かめられませんでした(5章)。
5. まだ分からないこと
- 送付の手数料の金額。通貨ごとの金額は、この記事では確かめていません。bitFlyerの手数料のページで確かめてください。
- 送り先を登録したあとの待ち期間。金融庁・警察庁の要請の項目にはありますが、bitFlyerが取り入れているかは、今回読んだbitFlyerの資料では確かめられませんでした。
- クイック入金の7日間の送付制限の、細かい条件。プレスリリースの注記でしか確かめていません。
- 本人確認が終わった日時を、どこで確かめられるか。この記事では確かめていません。
- クールダウン以外の理由で送れないとき。この記事は、bitFlyerのプレスリリースとよくある質問で確かめられたクールダウンだけを扱っています。ほかの理由が考えられるときは、bitFlyerのお知らせとよくある質問で確かめてください。
塾長とミサキ(続き)
読み終えるころには、日付が変わりかけていた。ミサキは質問サイトの投稿に戻った。回答は、まだ一つも付いていない。
ミサキ
ミサキ
塾長
ミサキ
塾長今日の確認
- 送れないとき:送付画面の「送付可能な数量」→ 入出金の履歴の「クールダウン中」→ 日本円入金の詳細画面の「仮想通貨の送付制限解除日時」の順に見る。
- 対象かどうか:本人確認から90日未満の個人が、日本円を入金してから48時間。止まるのは、48時間以内の入金の合計(手数料を除く)から10万円を引いた額に相当する分の暗号資産の外部への送付。
- 止まらないもの:日本円の入金・出金、暗号資産の売買、保有、受け取り。
- 送る前:送付は取り消せない。アドレスを間違えると戻らない。XRP・XEM・XYM・XLMは、宛先タグ・メッセージ・メモも登録する。
- 急かされているとき:bitFlyerが送付を頼むことはない。bitFlyerを名乗る送付の依頼は詐欺。
この記事の一次情報と確認日
下の資料は、本文を取得して保存した写しと引用を照らしています(確認日:2026年11月6日)。
一次情報
- bitFlyer、暗号資産の詐欺被害防止を目的に「クールダウン」を導入(株式会社bitFlyerのプレスリリース、PR TIMES、2026年10月2日):目的(詐欺被害や不正な資金移動の防止)。適用開始日(2026年10月15日)。対象(本人確認から90日未満の個人。口座開設済みでも対象、90日で対象外)。入金後48時間、48時間以内の入金合計(手数料を除く)から10万円を引いた額に相当する暗号資産を外部へ送付できないこと。10万円以下は対象外。入金ごとに48時間、順に終了。クイック入金分は別に7日間の送付制限でクールダウンの対象外。すべての送付が止まるわけではないこと。手続き不要。制限されないサービス。3つの画面の表示。送付可能な数量は資産状況で変わること。bitFlyerが送付を頼むことはないこと。
- bitFlyer で購入した仮想通貨を外部に送付する方法を教えてください。(bitFlyer よくある質問):アドレスの登録、メールのリンクでの登録、送付数量を入れて送ること。取り消せないこと。確認の後に反映されること。アドレスを間違えると取り戻せないこと。XRP・XEM・XYM・XLMの宛先タグ・メッセージ・メモ。手数料のページへの案内。クールダウンの注記。
- 暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について(金融庁、2026年8月6日):警察庁と連名で日本暗号資産等取引業協会に要請したこと、その理由、要請の項目(入金後・購入後の一定期間の出庫制限、出庫先の事前登録制と登録後一定期間の出庫制限など)。
- 暗号資産を用いた詐欺被害等防止に向けた対策の一層の強化について(警察庁):警察庁も金融庁と連名で同じ要請をしたこと。
この記事が確認していないこと
- 送付の手数料の金額(通貨ごと)
- 送り先を登録したあとに一定の期間送れない決まりを、bitFlyerが取り入れているか
- クイック入金の7日間の送付制限の、細かい条件
- 本人確認が終わった日時を確かめる画面
- bitFlyerの公式サイトのお知らせ(PDF)の本文(内容はプレスリリースで確かめた)
この記事は情報提供のみを目的としており、特定の取引所・サービスへの登録・利用や、暗号資産の売買を勧めるものではありません。
連載「ミサキの0からクリプト」
暗号資産をまだ買ったことのない会社員のミサキが、塾長に質問しながら一つずつ確かめていく連載です。第0話から読む →








